夏休みのプレゼントに! 海の不思議や魅力が伝わる「海の名作絵本」3選[絵本の専門家が選出]

子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #22~海の絵本~ (3/4) 1ページ目に戻る

絵本コーディネーター:東條 知美

今夏の新刊からもう一冊、次にご紹介するのは『あたまにのったタコ』(講談社)。

世界的な絵本の登竜門「アストラ国際絵本原作コンテスト」で講談社賞を受賞したフランス人・ジェニー・ギヨームさんの原作『あたまにのったタコ』(原題Un poulpe sur la tête)を、人気絵本作家・たしろちさとさんが絵本に仕上げました。

油断大敵、やられました。このユーモラスな表紙絵とタイトルを見て、誰が泣かされる絵本だなんて想像できるでしょうか。

あの夏、ぼくが出会ったのは、誰よりもかしこくて、誰よりもくっつくタコだった──。そんなキャッチコピーを付けたい、切なくも心あたたまる一冊です。

『あたまにのったタコ』(作・絵:たしろちさと、原案:ジェニー・ギヨーム/講談社)
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夏休み、家族で海水浴に行った「ぼく」。海から顔を出すと、なんと「ぼく」の頭にちょこんとタコがのっていました。

引っぱっても離れず、頭の上でどんどん成長し、新学期が始まる日にはビックリするほど大きくなったタコ。学校へ行くと、クラスの友達からは当然、大笑いされてしまいます。

でも、ちょっといいこともあったのです。授業中にタコのおかげで先生の質問に正解できたり、からかってくる友達にスミを吐いてくれたり。あり得ない状況を受け入れながら、「ぼく」は、だんだんとタコに気持ちを寄せるようになっていきます。

タコが好きな本を読み聞かせ、ごはんを食べるのも、お風呂に入るのも一緒。いつしかタコを頭から引き離すことはやめて、ちゃんとお世話をしようと心に決めたのでした。

そして、季節は過ぎて1年後の夏。「ぼく」と家族は、再び海辺に向かいます。タコとのお別れのときがやってきたのです──。

ちょっぴり寂しい、けれど特別な「ぼく」とタコのある夏の出来事。頭……ではなく、胸をきゅんと締め付けるような懐かしさが込み上げてきます。

北野武監督の映画『菊次郎の夏』のテーマ曲を思い出すのは、きっと私だけではないはず。たしろさんが描く無国籍な子どもたちのイラストもかわいくて、お子さんと一緒にささやく声で読みたい絵本です。

*読み聞かせ 3さいくらいから
*ひとり読み 小学1年生くらいから

最後は大いなる海の迫力に圧倒される絵本

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