
夏休みのプレゼントに! 海の不思議や魅力が伝わる「海の名作絵本」3選[絵本の専門家が選出]
子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #22~海の絵本~ (4/4) 1ページ目に戻る
2026.08.05
絵本コーディネーター:東條 知美
自然の脅威と優しさを描く“絵を読む”絵本
最後にご紹介するのは、オランダ出身のイラストレーター、マルク・ヤンセン作の『しま』(福音館書店)。こちらは文字がない“サイレント絵本”。大いなる自然の脅威、そして優しさを、パノラマ画面の圧倒的に美しい絵で魅せる一冊です。
物語は衝撃的なシーンから始まります。荒れた海、親子と思われる男性と女の子の2人、犬1匹を乗せた船が難破し、遭難してしまいます。命からがら逃げついた先は、小さな「しま」。でも実は、大きなカメの甲羅の上だったのです。
「しま」で一夜を過ごした彼ら2人と1匹は、ここで救助を待つことにしたのでしょう。希望と共に、海の美しさがふんだんに描かれています。でも忘れないで。自然には脅威もあることを。
海の中では2人と1匹に知られることなく、カメが凶暴な水中生物と闘い、彼らを守り続けています。壮大な大自然を舞台に繰り返される、数々の命のドラマを描いた一冊です。
どれくらいの月日が流れたのでしょうか。やがて大きな船が通りかかり、2人と1匹は無事に救助されるのですが──。
“絵を読む”ことは、こんなにも贅沢な体験なのだと教えてくれる一冊。演出は、すべて読者にゆだねられています。「この場面では何が起こったのか」「女の子はなんと言ったのか」、そう考えながら読み進めていくと、静かなようで、実はものすごくにぎやかな絵本であることがわかりますね。喧騒と静寂に満ちた美しい世界をぜひ楽しんでいただきたいと思います。
インテリアとして部屋に飾っても涼やかで、プレゼントにぴったり。絵を読み解く経験が少ない小さなお子さんでも、「今、何が起きたのかな?」などと、子どもの想像力を引き出すような声かけをしてあげたら、十分に楽しめると思います。
*読み聞かせ 3さいくらいから
*ひとり読み 4・5さいくらいから
取材・文/星野早百合
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星野 早百合
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。





































東條 知美
1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html
1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html