『NO.6再会#2』発売記念トークショーで、あさのあつこが語った“決して決めない関係性”とは

開催日は9月7日「紫苑生誕祭」を祝う特別なイベント

ライター:山口 真央

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累計発行部数230万部を突破した「NO.6」シリーズ。2025年5月には、待望の続編『NO.6[ナンバーシックス]再会#1』が刊行され、Amazonで1位を獲得(SF・ホラー・ファンタジーのカテゴリ、2025年6月6日調べ)するなど、注目を集めています!

この記事では、『NO.6[ナンバーシックス]再会#2』の発売を記念し、ジュンク堂書店池袋本店でおこなわれた、あさのあつこさんのトーク&サイン会の様子をレポート。前編では、あさのさんが紫苑とネズミを知るうえで大切にしていることや、執筆中に印象が変わった登場人物を暴露。さらに作家はやみねかおるさんからのビデオメッセージの内容も公開します!

はやみねかおるさんがサプライズで登場!

イベントがおこなわれた9月7日は、主人公である紫苑の誕生日! 来場した多くのファンの方々が、あさのさんの登壇を待ち受けています。司会者に紹介され、あさのさんが登場。「今日はよろしくお願いします」と、にこやかにご挨拶されました。

「今日はスペシャルな方から、ご質問をいただいています」と司会者から紹介があったところで、モニターに作家はやみねかおるさんのお顔が映し出されました。

はやみね:あさの先生とは、講談社YA!ENTERTAINMAENTシリーズで一緒に書かせていただきました。今回『NO.6』のセカンドシーズンが始まると聞き、驚くと同時にわくわくしています。今日はあさの先生に質問をさせてください。

あさの先生も僕も、生まれ育ったところに住んで、書き続けています。それが作品にどんな影響を与えているのか教えてください。また、以前『バッテリー』を書いているときに、あさの先生はボールを触りながら書いていると聞かせていただきました。今回も特別なことをされているのでしょうか。ぜひ、ご回答よろしくお願いします。

あさの:ありがとうございます。そうなんです、はやみねさんは三重県、私は岡山県でずっと書いています。たしかに何十年も岡山の片田舎で住んでいるので、その場所の空気感みたいなもの、たとえば、季節の変わり方であるとか、雨の音であるとか、雨上がりの土の匂いであるとか、人の会話であるとか。いろんなものが自分の基本になって、そこから物語が生まれてきている気はしますね。

そしてもう一つの、特別なことはしていますか、という質問について。シェイクスピアをはじめとした、古典の作品を並べてから書いています。そのなかから引用して、『NO.6』の章の冒頭に文章を入れているのですが、それが『NO.6』を書くときのスタートの合図になっています。

あさのあつこさんが「わからない」紫苑とネズミを描き続けるワケ

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