「しいたけ占い」のスペシャルコンビ タロアウト×しいたけ.の仲良し対談!

「誕生日」という運命的な一日と特別なあなたのこと

ライター:山本 奈緒子

イラスト/タロアウト

世界で知られるキャラクターアーティスト・タロアウトさんが、人気のうさぎキャラクター「ラニーちゃん」を主人公に、初めて手掛けた絵本『ラニーちゃんとたんじょうびやさん』。

大人気「しいたけ占い」のキャラクターを描かれている方、と聞いてあっと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんなタロアウトさんと「しいたけ占い」のしいたけ.さん、実はプライベートでも交流があるのだとか。

「誕生日」を描いたこの絵本に関して、タロアウトさんの深いメッセージ、そしてしいたけ.さんが感じた占いの世界との共通点など、あらためてお二人に語り合っていただきました。

その思いを知ると、きっと絵本を大切な人に贈りたくなるはず……。仲良しだからこそのプライベートトークも必見です。

また、今回の対談を記念して、タロアウトさんに「ラニーちゃん×しいたけ占い」のスペシャルコラボイラストを描き起こしていただきました。

「今回の絵本は『みんな、みーんな、たんじょうびおめでとう!』というお話なので、みんな、みーんなカゴに乗せてみました。重量は限界ギリギリです(笑)!」とタロアウトさん。

見てるだけで幸せ気分になるこちらのイラストたちも併せてお楽しみください。

出会いは「しいたけ占い」

イラスト/タロアウト

──タロアウトさんとしいたけ.さんはもともとお知り合いとのことですが、出会ったきっかけは何だったのでしょう?

タロアウト しいたけ.さんが連載していた『VOGUE GIRL』の「しいたけ占い」がスタートするにあたって、僕がしいたけ.さんや12星座のイメージキャラクターを描くことになったのが“初めまして”でした。

しいたけ. キャラクターを描くにあたって「しいたけ.さん本人に会ってみたい」とのことで。そうしたら、まずはとにかくジーッと観察されて。めちゃくちゃ緊張しましたね。あんなに人から見つめられたのは人生で初めてでした(笑)。

タロアウト お会いして、僕なりのイメージを摑みたかったんです。実際のしいたけ.さんは、いい意味で普通の青年でホッとしました。占い師っていうと、独特の迫力があるイメージがあったもので。

しいたけ. 僕もタロアウトさんは自分と同じタイプの人かな、と思いました。クリエイターって肉食系の匂いがするイメージがありましたが、タロアウトさんは鍛錬された草食動物って感じでホッとできたし、この人なら今後いろいろ話せそうだなと思ったんです。

タロアウト お互い、初対面から鎧なく接することができましたよね。

──タロアウトさんはこのたび、初の子ども向け絵本『ラニーちゃんとたんじょうびやさん』を出版されました。ラニーちゃんがたんじょうびやさんのコウノトリと一緒に、いろんな友達を集めて誕生日パーティーを開く、というお話ですが、誕生日をテーマにしようと思ったのはなぜだったのでしょう?

タロアウト 絵本を描くことは僕にとってずっと夢で。いろいろ描きたいテーマはあったんですけど、今回は自分にとっても絵本誕生の一冊ということもあって、誕生日をテーマに、読んでくれる人が幸せになれるお話を描きたいと思ったんです。

実は最初は、ラニーちゃんがプレゼントをカゴいっぱいに詰めこんでみんなに渡していく、というお話を考えていたんですよ。でもそれだとだんだんプレゼントがなくなっていくので、何だか物寂しくなるなあと思って。いろいろ紆余曲折を経て、あのストーリーになったんです。

しいたけ. いやあ、めちゃくちゃ素敵なストーリーだと思いましたよ。ラニーちゃんは「みんなを喜ばせてあげたい」といろいろやってあげるわけですが、それが最後、報われるのが何より良かった。僕は大人になるにつれて、何かをやってあげる立場って報われないものだと思うようになったんですよ。現実にそういう人たちを多く目にすることがあったもので。だけどこの絵本では、ラニーちゃんが最後、意を決して思いを打ち明けることで、ラニーちゃん自身も幸せになった。本当に感動しました。

誕生日はその人にとっての元旦

イラスト/タロアウト

──しいたけ.さんは星座占いをされていますが、誕生日とはどういう日だと感じられていますか?

しいたけ. クリスマスとかお正月などとは違って、その人だけの特別な日ですよね。長く会えていない友達でも、誕生日が来るとその人の笑顔を思い浮かべたりする。そんなオリジナルな素敵な日だと思います。

タロアウト 僕は年々誕生日に執着がなくなってきてはいるんですけど、やはり誰かの誕生日となると、「久しぶりにメッセージを送ろうかな」と思ったりする。コミュニケーションをとるきっかけをくれる日でもありますよね。

しいたけ. 占い的な視点から言わせてもらいますと、誕生日は新しい一年が始まる日でもあるんです。その人にとっての元旦ですね。だから反省は必要ないんですけど、素敵だったこと、悔しかったことなど含めそれまでの一年を振り返って、「こんな新しい一年を始めよう」と考えてみるのもオススメです。

タロアウト なるほど。僕にとって、今や誕生日はすっかり普通の一日になっていて。変わらず仕事をしていましたけど、次の誕生日はブランニューな一日にしてみようかな。

しいたけ. もしよければ、ぜひやってみてください。僕は20代後半のころ、もはや誰も誕生日を祝ってくれなくなって切なかったので、バイトの後輩に頼んで人を集めてもらって誕生日会を開いたんです。それでみんなに「僕のいいところを言って」とお願いした。そしたら「優しい」と「面白い」ばかりだったので、「“面白い”がかぶったから他のに変えて」なんて言ったりしていたんですけど(笑)。

そんな無理やりな誕生日会だったんですけど、それでもそうやって言葉をもらっていると、本当に嬉しくなって心がジンと温かくなってきて。大人になると、誕生日は1つ歳をとる残念な日ぐらいに思うこともありますが、何らかのお祝いはできればしてほしい。生まれてきたことに感謝できると思います。

タロアウト まさにそれこそが一番伝えたかったことで。絵本を描いているときも、誕生日そのものよりも誕生が幸せなこと、という思いが根底のモチーフとなっていたんですよ。絵本を読んで、自分が生まれてきたことを肯定する感覚を持ってもらえたら嬉しく思いますね。

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