
小学1年の娘と考えた「命のこと」 国民的ベストセラー「あらしのよるに」でママが気づいた「本当の友情」
シリーズ最新作『あいことばはあらしのよるに』刊行記念 エニママレビュー・ゆきさん
2025.04.18

『あらしのよるに』シリーズは、まっくらな嵐の夜に出会った、オオカミのガブとヤギのメイが、お互いの正体を知らず友だちになり、「食うもの」と「食われるもの」という関係に葛藤しながら、友情を深めていくストーリー。全7巻380万部の国民的ベストセラーで、この度、20年ぶりの新刊が刊行され、発売後即重版がかかるなど、話題になっています。

「あらしのよるに」シリーズを読んだAnyMama編集部のママ、ゆきさんからのレビューをご紹介します。
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読み始めたら止まらなかった!ドキドキするストーリー
最初は「7巻もあるなんて長いな」と思いながら、何気なく手に取った『あらしのよるに』シリーズ。けれど、1巻を読み終えたときには、もう続きを読まずにはいられませんでした。
最初はひとりで読み始めたのですが、「これは娘と一緒に読みたい」と思い、小学1年生の娘と読み進めることにしました。オオカミのガブとヤギのメイが仲良くしている様子に、娘も嬉しそう。
けれど、物語が進むにつれて2匹を取り巻く環境が一変。「どうなっちゃうの……?」と、ドキドキしながらページをめくる姿が印象的でした。
特に心に残っているのは、『どしゃぶりのひに』のふたりの友情が仲間たちに知られてしまい、「仲間をとるのか、友をとるのか」という選択を迫られる場面です。

「あなたならどっちをとる?」と娘に聞くと、迷わず「友達!」と答えてくれました。娘の価値観を知ることができて、なんだかとても嬉しかったです。
物語をきっかけに、一緒に考えた「命のこと」
物語の中で特に心に残ったのは、ふたりのこんな会話。
「いのちだって いつかは おわりが くる。でも、わたしたちが であえて、ともだちだった ことが きえる わけじゃ ないって……」
「ながいか みじかいかの ちがいだけっすよね」

どんな関係にも、いつか終わりは訪れる。けれど、その人との思い出は決して消えない。
その時間が長いか短いかよりも、どれだけ心が通じ合っていたかが大切なのだと気づかされます。
娘には少し難しかったかもしれませんが、大人の私には深く響いたセリフでした。
また、物語を読みながら、こんな問いも娘に投げかけてみました。
「普段美味しく食べているニワトリや豚や牛と、もし友達になったら食べられる?」
すると娘は、「もちろん友達は食べない!」と即答。けれど、「でも、食べなければ自分が死んじゃうなら?」と続けると、言葉に詰まっていました。
ガブとメイの物語を通して、「命」や「関係性」について親子で考える時間が生まれ、「違い」を超えて育まれる友情の尊さ、そして信じる心の強さを学ぶことができました。
新作「あいことばはあらしのよるに」刊行
「あらしのよるに」は種を超えた「友情」を描いた大人気シリーズ、新シリーズはさらに種を超えた「家族の絆」を描きます。いまの時代にこそ読んでほしい新シリーズ第1巻が刊行。

仲良しな2人なのに、実はおたがい隠している秘密が!? 疑いあってしまう2人の友情と新たな命の行方が気になる第1巻。ヤギとオオカミの壁を越えた友情から家族の物語へ……待望の新シリーズがスタート!
「あらしのよるに」シリーズ全7巻はこちら
