百人一首は、鎌倉時代に藤原定家が選んだ和歌の傑作選。1235年5月27日は、藤原定家が小倉百人一首を完成させたとされる日であることから、「百人一首の日」とされている。
そこで、5月21日から「百人一首の日」の27日までの1週間、書籍『5文字で百人一首』より、百人一首の小ネタをひとつずつご紹介&5文字で解説するよ。
定家のあとでいろいろな人がまねしてオリジナルの百人一首を作ったけど、いまだに百人一首と言えばこれを指すほど、小倉百人一首は人々に親しまれてきた。古代の代表的な歌人と歌が選ばれているから、和歌がはじめてって人にもおすすめだ。
今回は、日本では親しみ深い、桜を詠んだ歌。
ひさかたの 光のどけき 春の日に
しづ心なく 花の散るらむ
紀友則
【訳】
日差しがのどかな春の日なのに、どうしてこんなに落ち着きなく桜は散るのだろう。
【もう少し簡単に】
のどかな日に、なぜ桜は急いで散るのかな。
【5文字に】
桜散るの早
【解説】
桜が風もないのに散っていくのを、落ち着きがないと文句を言っている歌。桜に心があるみたいな言い方は、擬人法というものだ。
「の」が四回、「ひ」が三回出てきて、おもしろいリズムを作りだしている。「ひさかたの」は、ここでは「光」にかかる枕詞。ほかの歌では、空にあるものや、光るもの、「都」「桂」「岩戸」などにかかる、枕詞の中でも特にややこしい。
「らむ」は、ここでは「どうしてだろう」と原因や動機について疑問を感じていることを示す言葉だよ。
児童図書編集チーム
講談社 児童図書編集チームです。 子ども向けの絵本、童話から書籍まで、幅広い年齢層、多岐にわたる内容で、「おもしろくてタメになる」書籍を刊行中! Twitter :@Kodansha_jidou YA! EntertainmentのTwitter :@KODANSHA_YA_PR
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