ポッドキャストアワード大賞受賞『Teacher Teacher』 20代はるか&ひとしの“どんな子育てにも寄り添う”姿勢が親たちへ心地よい新風を吹き込む

『子育てのラジオ「Teacher Teacher」』はるか&ひとしインタビュー#1~ポッドキャストを始めたワケ~

秋山 仁志・福田 遼(Teacher Teacher)

ポッドキャストアワード授賞式の2人。ひとしさん(左)が手にしているのはポッドキャスト録音でも使うマイク、受賞の感想をはるかさん(右)に聞いて配信した。  写真提供:Teacher Teacher
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悩みや困りごとを受け止め 絶対に否定しない

「はるかは、お悩みに対して『こんなときはこうしたらいいのでは?』という明確なひとつの答えみたいなものを持っている。

それには、先生時代の子どもたちとのエピソードという土台がしっかりあって『こんな子がいて、こういうアプローチをしたらこう変わった』という経験を交えた話ができるんです。それが『Teacher Teacher』のお悩み相談の強みなのかな、と思います」(ひとしさん)

寄せられた悩みに、2人はまず「そうよね、それって難しいよね」、「この親御さん、すごく頑張っていると思うんよ」と穏やかに受け止め寄り添うことから始めます。

「僕が『Teacher Teacher』でもっとも大事にしているのは、絶対に悩みや困りごとを否定しないこと。『これはこうだ』って、結論を言い切られると、責められたような気になってしまう人も絶対いると思っていて。

だから僕らは、『うまくいかない可能性もあるけど、こういうふうに考えてみるのはどうですか?』というスタンスだし、納得いくまで一緒に考えたいと思っているんです」(はるかさん)

「僕ら2人も、ものすごく話し合うよね。意見が違っても、決してケンカはしません。対立すると議論が深まらないので、お互いの意見の背景をまず理解する。そのうえで、納得できるまで話し合って意思決定を行っています」(ひとしさん)

確かに2人のやり取りを視聴していると、お互いにリスペクトし合っている姿勢がとても伝わってきます。そんなさりげなく優しいやり取りが耳心地よく、つい聞き入ってしまうのです。

前向きで具体的なアクションを起こすために

否定しないという大前提のうえで、「前向きで具体的なアクションを考える」のが、はるかさんの信条です。課題を抱える保護者が、前向きで具体的なアクションを起こすために伝えたいのは3つ。

「まずは環境調整をすること。困りごとを誰かのせいにするんじゃなくて、子どもが頑張れるようにするためには、今の環境をどう変えたらいいのかを考える。

次に、失敗は宝なので、間違えることを恐れないこと。そして、常にオープンマインドでいること。助けてほしいとき、困っているときにはちゃんと周りに助けを呼ぶことが大事かなと思います」(はるかさん)

正解が難しい子育ての悩みに、こんなふうに真正面から向き合う二人。『Teacher Teacher』が多くの人たちから支持を集める理由が、分かったような気がします。

─・─・─・─・

次回は、実際に寄せられたお悩みや困りごとに、お二人がどんな実践的提案をしているのかを伺いました。子育てだけでなく、仕事や人間関係にも活かせるヒントが! 

また、2人が目指す「心をラクにする子育て」とは何かを掘り下げます。

取材・文/遠藤るりこ

Podcast番組で反響があった回をベースに書籍化。SNSでは「手元に置いておきたかった」「何度も繰り返し読みたい」等々、うれしいコメントが多数。『先生、どうする!? 子どものお悩み110番 子育てのラジオ「Teacher Teacher」が納得するまで考えます』(PHP研究所)

※『子育てのラジオ「Teacher Teacher」』はるかさん&ひとしさんインタビューは全3回(公開日までリンク無効)
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あきやま ひとし・ふくだ はるか

秋山 仁志・福田 遼(Teacher Teacher)

Hitoshi Akiyama,Haruka Fukuda

秋山仁志(あきやま・ひとし)写真左 1996年福岡県生まれ、九州大学大学院システム情報科学府修了後、企業のブランディング・広告制作を行う会社に入社。その後、株式会社FUBIの音声プロデューサーとして、企業のブランドポッドキャストを企画・制作。ポッドキャスト番組『子育てのラジオ「Teacher Teacher」』では、プロデュース、編集のほか、福田とともにMCを担う。フリースクール「コンコン」の運営にも携わる。 福田遼(ふくだ・はるか)写真右 1995年福岡県生まれ、九州大学教育学部卒業後、5年間の小学校教諭を経て退職。その後、約8ヵ月にわたって世界各地の教育施設を訪問、視察。2023年4月、大学時代の友人だった秋山とともに、ポッドキャスト番組『子育てのラジオTeacher Teacher』を開始。2024年4月には、フリースクール「コンコン」も開校。 Podcast番組で反響があった回をベースに書籍化『先生、どうする!? 子どものお悩み110番 子育てのラジオ「Teacher Teacher」が納得するまで考えます』(PHP研究所)を発売中。 ポッドキャスト番組『子育てのラジオ「Teacher Teacher」』 「第5回 JAPAN PODCAST AWARDS」大賞と「教養部門最優秀賞」を受賞。Apple PodcastまたはSpotifyで配信中。 ・Teacher Teacher HP ・Spotify ・Apple Podcast ・「Teacher Teacher」SNSリンク

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秋山仁志(あきやま・ひとし)写真左 1996年福岡県生まれ、九州大学大学院システム情報科学府修了後、企業のブランディング・広告制作を行う会社に入社。その後、株式会社FUBIの音声プロデューサーとして、企業のブランドポッドキャストを企画・制作。ポッドキャスト番組『子育てのラジオ「Teacher Teacher」』では、プロデュース、編集のほか、福田とともにMCを担う。フリースクール「コンコン」の運営にも携わる。 福田遼(ふくだ・はるか)写真右 1995年福岡県生まれ、九州大学教育学部卒業後、5年間の小学校教諭を経て退職。その後、約8ヵ月にわたって世界各地の教育施設を訪問、視察。2023年4月、大学時代の友人だった秋山とともに、ポッドキャスト番組『子育てのラジオTeacher Teacher』を開始。2024年4月には、フリースクール「コンコン」も開校。 Podcast番組で反響があった回をベースに書籍化『先生、どうする!? 子どものお悩み110番 子育てのラジオ「Teacher Teacher」が納得するまで考えます』(PHP研究所)を発売中。 ポッドキャスト番組『子育てのラジオ「Teacher Teacher」』 「第5回 JAPAN PODCAST AWARDS」大賞と「教養部門最優秀賞」を受賞。Apple PodcastまたはSpotifyで配信中。 ・Teacher Teacher HP ・Spotify ・Apple Podcast ・「Teacher Teacher」SNSリンク

えんどう るりこ

遠藤 るりこ

ライター

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe