5つのステップで「待ち上手」になった親 子どもの驚くべき成長・子育てのイライラからの解放 「先生の先生」が解説

【子どもの才能を伸ばす「待ち上手」な親 #3】待ち上手が身についた親御さんの今

元公立小学校指導教諭、ベネッセ教育総合研究所教育イノベーションセンター主任研究員:庄子 寛之

寄り添うポイントは3つ

待ち上手な親になるための最終ステップは「寄り添う」です。1~4のステップの総集編にあたります。寄り添うポイントは3つあります。

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「寄り添うということは、結果だけを褒めずに過程を認め、距離感を大切にして子どもを追いすぎず、約束が守れないことがあってもゆるし、子どもを最後まで信じてあげることです。

たとえば、悪い行いを隠すといった問題行動は確かによくありませんが、その行動に出た気持ちには寄り添ってあげてください。そしてゆるしたあとは、『これからどうしていけばいいのか?』を子どもと話し合いましょう。

このとき、過去のことには触れず、これから先のことを話題の中心にすることが大切です」(庄子先生)

我が子が生まれたときは、誰もが子どもは存在するだけで素晴らしいと思いますが、大きくなってくるとあれもこれもできてほしいと、つい欲張りになってしまいます。

最終ステップの「寄り添う」の根底には、我が子はそのままがいい、一番すばらしいというスタンスがあり、その気持ちで寄り添い続けることが、親子がともに生きやすくなることにつながっていきます。

寄り添い続けることで、親子はともに幸せになっていきます。  写真:アフロ

待ち上手な親になるためのステップで、多くの人がつまずく段階とは?

待ち上手な親になるためには5つのステップがあります。この中で、多くの親御さんが難しいと感じる段階はあるのでしょうか。

「特にステップ(1)『自分を整える』を難しいと感じる方が多いでしょう。実はここをクリアすれば、(2)『ただ見る』も(3)『我が子から学ぶ』も、(4)『伝える』も順調に進めると思います。

ではなぜ、『自分を整える』が難しいと思えるのかというと、それだけ自分を犠牲にして子育てをしている親御さんが多いからです。

特にフルタイムで働いて、家事も育児も一身に背負っているお母さんにとっては、高いハードルだと感じられるようです。

『自分を整える』ことがどうしてもできない、自分中心になれないという場合は、親である自分を褒めて、自分自身にご褒美をあげてみてください。

私は個別で面談するお母さんには、『お母さんの一番小さなうれしいことはなんですか?』と面談中に聞いて、帰宅したらそれを実践するように勧めています。

シュークリームが好きだったらそれを食べるように勧め、ドラマ鑑賞が好きなら観るように宿題を出します。自分の好きなことをすることが、自分を緩めてあげるきっかけになるはずです」(庄子先生)

どのステップも、一度で完璧にできるようにならなくても大丈夫だと先生はいいます。(2)「ただ見る」ができなければ、(1)「自分を整える」に戻ればよく、(3)「我が子から学ぶ」ができなければ、(2)「ただ見る」に戻ればいいだけともアドバイスします。

いずれのステップも急がず取り組んで、習慣化させていきましょう。

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