フランス最古のモンテッソーリ幼稚園に学ぶ「子どもの好奇心の高め方」
#3 子どもの好奇心を理解するために大人が観たい映画 世界的メソッド『モンテッソーリ 子どもの家』
2021.07.29
映画評論家:前田 有一
ポイント3 “ご褒美”では好奇心は育たない
「モンテッソーリ教育がもうひとつ大切にしているのは、ご褒美を与えないこと。普通、子どもの自尊心を満たすためには、何かしらのご褒美が必要だと考えますよね。でも、モンテッソーリ教育では、ご褒美をあげることはご法度。何かをしてくれたときは、ありがとうと感謝の言葉を伝えるだけ。
これには理由があって、ご褒美をあげるとそれが目的になってしまい、好奇心で動かなくなるからなんですね。ものだけではなく、過剰に「すごいね!」と褒めることもしません。これは目から鱗ですよね。
親はどうしても子どもを接待しがち。好きなお菓子を買ってあげるから今はこれをしなさいとか、今度遊園地に連れて行くからテスト頑張りなさいとか。
でも、ご褒美をもらえるからというモチベーションではなく、自分が楽しいからやることが重要です。そしてやり遂げたときの満足感こそ、子どもの好奇心がもたらす最大の効果ではないでしょうか」
子どもが持つ純粋な好奇心は、周囲からの間違った働きかけや環境によって曇ってしまうことも。どうしたら好奇心を高めることができるのか、試行錯誤しているお父さんやお母さんは多いと思いますが、モンテッソーリ教育が実践していることから学べることはたくさんありそうです。ドキュメンタリー映像だからこそわかる、子どもたちの表情や行動の変化にも注目したいですね。
取材・文 末吉陽子
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前田 有一
映画評論家。東京都生まれ。紙媒体のコラムやTV番組で、新作から旧作まで、幅広いジャンルの映画の分析や解説を行っている。「ごく普通の人々のための、週末の映画選び」をコンセプトにしたWEBサイト「超映画批評」を運営。 【主な著書】 『それが映画をダメにする』/『どうしてそれではダメなのか。~日米中の映画と映画ビジネス分析で、見える世界が変わる』/共に玄光社
映画評論家。東京都生まれ。紙媒体のコラムやTV番組で、新作から旧作まで、幅広いジャンルの映画の分析や解説を行っている。「ごく普通の人々のための、週末の映画選び」をコンセプトにしたWEBサイト「超映画批評」を運営。 【主な著書】 『それが映画をダメにする』/『どうしてそれではダメなのか。~日米中の映画と映画ビジネス分析で、見える世界が変わる』/共に玄光社