【逗子発】「おかん革命」子育てや家事をラクに! 母親が“得意なこと”で輝く「ママユニット」の挑戦

#2おかんラッパー「マイクラおかん」に学ぶママの輝き方~おかん万博開催とキッチンカー運営~

おかんラッパー「マイクラおかん」:下崎 真世

母親こそ挑戦し楽しめる場を──「おかん万博」開催

小学3年生の息子が不登校になり、会社を辞めた下崎さんが「自分にできることを」と始めたのが、ゲーム大会でした。週1回、息子と一緒にオンラインでマインクラフト(マイクラ)をプレイし、その様子をYouTubeで配信するというものです。

「一般的に子どもの居場所を考えたときに、海や山など自然の中にはその場があるのに、“ゲームの居場所”がないと感じました。インドア派の子どもたちが安心して過ごせる場所を作りたかった」(下崎さん)」

下崎さんは、子どもの“ゲームの居場所”を作ろうと、地域の子育てイベントにも積極的に参加し、ママたちの声に耳を傾けてきました。すると、子どものことには一生懸命だけど、自分のやりたいことが見えなくなっている母親が多いということに気づいたのです。

「子どもを変えようとするのではなく、まずは母親が変わらなければ」と一念発起。今はできないけど、いつかやりたい──ではなくて、「今やってみよう」と、2023年8月に「おかん万博」を開催します。

2025年7月、「YES! OCAN」のおかんクルー「ひるね」による間借りカフェ(逗子市)がオープン。右が下崎さん。
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おかん万博開催にあたり、フリースクールに通う児童の母親や、PTAの仲間など7人の“おかんクルー”が集まった。  写真提供:下崎真世

「おかん万博」とは、ママたちそれぞれが特技や好きを活かしてパビリオンを開く“おかんのチャレンジ博覧会”。息子が週2回通う、フリースクール「cas!ca(カシカ)」(逗子市)を借りて、下崎さんによるマイクラ親子ゲーム大会をはじめ、占いやガラス細工のワークショップ、水餃子やスイーツの販売など個性豊かなパビリオンが並びました。

「裏テーマを“サイバー”とし、会場内を暗くしてミラーボールを回し、打ち込み系の音楽を流し、蛍光ジュースを振る舞いました。ここで言うサイバーとは、朝や昼のまっとうな光ではなく、夜のネオンのような光をイメージしています。普段は見えない光や愛が、誰の中にもあると思うんです。そんな一面を解き放てる場にしたかった。

おかげでパビリオンの扉を開けるたびに『なにこれ!?』と驚くような、カオスでユニークな世界が広がりました」(下崎さん)

ネオンのような妖しい光に包まれた会場内。 
下崎さん主催の「マイクラ親子ゲーム大会」も大盛況。初心者から上級者まで集った。  写真提供:下崎真世

これは誰のためのイベントかと聞かれたら、「自分のため。まずは自分たちが楽しまなくちゃ」と下崎さんは答えます。

結果、開催は1日のみで約200人が来場。このイベントの成功を皮切りに、「やってみたい」をかたちにする流れが動き出します。

子育て中の母たちが「自分のできること」で助け合う

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