【令和の最新子育て】「教育の迷信と勘違い」子どものゲーム・スマホを𠮟るとさらに勉強しなくなるのはなぜ?〔教育評論家〕が解説 

子育てにまつわる「これ本当?」がわかる 令和の最新子育てメソッド #3

教育評論家:親野 智可等

早期教育の効果はどのくらい続くもの?

未就学児の教育として話題にのぼるのが、早期教育です。

知的好奇心を刺激して脳を活性化させようと、熱心に早期教育を行っている家庭がありますが、周囲に流されて安易にブームに乗るのは避けたほうがいいと親野先生はアドバイスします。

「小学校の教師をしていた私の経験でお話しすると、早期教育を受けて小学校1年生になった子は、読み書きや計算が最初からできるので確かに優秀です。

しかし、同じ子どもを3年生や4年生で再び受け持つと、『この子、1年生のときはあんなにできたのにどうしたんだろう……』と思うことがたびたびありました。

早期教育を受けてきた子は、幼児期に自由に遊びを経験した子どもたちに、ある時点で勉強も学習に向かう気持ちも逆転されると実感しています。

またこのことは、ボストン・カレッジのピーター・グレイ教授の研究によっても裏付けされていて、幼児期の早期教育の効果は3年以内になくなり、その後は自由な遊びをしていた子どもたちに学力が逆転されることがわかっています」(親野先生)

子どもを伸ばしたいなら「あと伸び」が正解!

「これも経験上でお話ししますが、優れた脳力を持つ子は、幼児期に好きな遊びを徹底的にやらせてもらえていた子どもです。

そういった子は小学校に入学したときのスタートダッシュはそれほどでもありません。しかし、『自分がやりたいことに主体的に取り組む力』『試行錯誤してやり遂げる力』など、いわゆる非認知能力が高いのです。

そして好きな遊びに夢中になって頭を使ってきたおかげで、脳のシナプスが増えて地頭がよくなっていますから、勉強面ではググッとあと伸びしてきます」(親野先生)

あと伸び脳は毎日が楽しそう

子どもの将来を本当に考えるなら、子どものうちは遊びで頭の性能自体をよくすることが大切だと親野先生は続けます。

「自分が好きな分野に熱中し、大人顔負けの知識を披露する『博士ちゃん』たちが出る番組がありますが、そこに登場する子どもたちはみんな楽しそうで、自信に溢れています。

あの子たちは非認知能力が高く、地頭がよくなっているので、いざ真正面から『勉強をやるぞ!』となったら、一気に学力は伸びてくるに違いありません。

その土台をつくっているのが、夢中になれる遊びをすることです。本当の意味で頭のいい子に育ってほしいと思うなら、親御さんは子どもの好きなことを応援してあげてください」(親野先生)

親野先生直伝 令和の最新子育てメソッド

早期教育ブームに流されないように。
子ども時代は「遊び」が何よりも重要です。
たっぷり遊びを経験した子は、勉強も学習に向かう気持ちもあと伸びしてきます。

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