子どもに「フェイクニュースって何?」と聞かれたら 専門家が〔子どもを守る「情報リテラシー」の高め方〕を解説

「世界子どもの日」に「子どもの権利条約」を考える#4 コンプライアンスアドバイザー が子どもをデジタルタトゥーなどから守る「情報リテラシーの高め方」を解説

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ネットやSNS上に大量にあふれる情報の中から、信用できて自分が「そうだ」と思える情報を見つけるのは実はたやすいことです。

しかしそこから先、信用できる根拠は何か(この情報源はどこからその情報を得ているのか)を確認したり、自分の考えと違う意見や見解に耳を傾けること、それらを重ね合わせて情報を検証したり自分の考えをアップデートしたりすることの大切さは、まだ広まっていないのではないでしょうか。

そんな社会を生きる子どもたちに「情報を広く捉えて考える力」を育んでもらうために、親子で「情報リテラシー」の力を身につける必要があります。

本稿では、長年テレビ局で番組制作に携わってきたコンプライアンスアドバイザー・ 山本一宗氏が、子どもをディープフェイクなどから守る「情報リテラシーの高め方」をはじめ、これからの時代を生きていく子どもたちに知っておいてほしい「世の中の決まりごと」について解説します。

この記事は『子どもコンプライアンス』(ワニブックス刊)から一部抜粋・再編集したものです。小学校低学年から学びながら読めるように想定した文章を大人用に改訂しお届けします。

山本一宗
1964年兵庫県神戸市出身。
1988年に読売テレビ放送(株)入社。報道記者として神戸連続児童殺傷事件、和歌山毒物カレー事件や金融機関再編などの取材を経験し、その後「THE ワイド」「情報ライブ ミヤネ屋」プロデューサー、「ウェークアップ!ぷらす」チーフプロデューサー、報道局統括デスクなどを歴任。
2019年より放送基準に基づく番組・CMの表現考査、SNS利用指針作成などに従事。2021年よりコンプライアンス総括責任者(総括役)として社全体の危機管理・考査判断を担当。2023年3月まで読売テレビ放送(株)ESG推進局専任局次長。2023年春に読売テレビを退社し、現在は株式会社CompLabo代表取締役を務める。

11月20日は「世界子どもの日World Children’s Day」。

これからの時代を生きていく子どもたちに知っておいてほしい「世の中の決まりごと」、そして昨今問題の多いSNSの使い方をはじめとする「情報リテラシーの高め方」について、親子で楽しく学んでいきましょう。

(全4回の4回目。)

第4回は、信頼できる情報だけではないインターネットの世界で、「事実」と「そうでないこと」を“見きわめる”ことの大切さについて、ご紹介します。

Q.ネットの情報って信用できる?

ネットに「あついお湯を飲むとインフルエンザが治る」って書いてあったよ。

【A.SNSには「ウソ」もいっぱい……信じる前に考えよう】

SNSは「ウソ」だけでなく「ウソかホントか分からない」「ホントかもしれないけど確認されていない」情報が流れやすいという性質があります。「正しい」と確認できていない情報を書きこんだり広めたりしても「責任」がはっきりしないのです。

例えで考えてみましょう。最初は「●●を飲むと病気に“かかりにくくなる”という研究が進んでいる」という書きこみだったのに、それがSNSで人から人へ伝わるうちに「かかりにくくなる研究」が「治るらしい」というふうに間違って伝わること、だんだん「本当でないこと」に変わって広がっていくこともあるのです。

「最初にだれが何と言ったか分からない情報」を「だれか分からない人が広めている」のを、最初から信じていいのか、考える必要があります。

とても有名な●●さんがアップしている……としても、その●●さんはなぜその情報が正しいと思っているのか、と考えてみてください。

SNSはだれでも自由に、名前を出さずにいろいろなことが発信できるからこそ、「事実」と「そうでないこと」をきっちり見分けることが大事になってくるのです。

Q.「フェイクニュース」ってなに?

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