
生みの親と暮らせない子どもは約4万2000人 「養子縁組」の現在地 〔養子・里親の実態と仕組み〕
養子縁組の現在地 第1回~養子・里親の実態と仕組み~
2025.04.02
日本財団 公益事業部 子ども事業本部長:高橋 恵里子
「日本財団の調査(※)では、里親になってみたい意向がある人が、現状、里親にはなっていない理由として、経済的な負担がネックと考えている人が一番多くみられました。
里親には国の経済的な補助があるのですが、そのことを知っている人の割合は2%以下でした。里親制度の内容認知率は38.2%です。
まさに、里親になる意思がある人がいても、それを実行に移すにはあまりに認知度や理解度が低すぎる現実があるということがいえるのではないでしょうか」
※「里親」に関する意識・実態調査 報告書(P28.41)/日本財団 2019年3月
※潜在的な里親候補者は100万世帯! なぜ、里親・養子縁組制度が日本に普及しないのか?/日本財団ジャーナル 2022年9月29日
法改正が進む養子縁組
養子といっても、制度には「特別養子縁組」と「普通養子縁組」の2種類があります。
特別養子縁組の場合、生みの親との親子関係が消滅し、育ての親が親権をもちます。法制上は実子と同じ扱いとなるので、原則離縁はできません。子どもの年齢は原則として15歳未満となります。
一方、普通養子縁組では親権は育ての親に移りますが、生みの親との法的な親子関係が残ります。育ての親との離縁は可能で、養親よりも年下であれば、原則対象年齢の制限はありません。
ちなみに、里親制度は生みの親との親子関係は継続され親権もそのままです。里親との間には法的な親子関係は発生しません。子どもの対象年齢は原則18歳までです。国からは里親手当が支給される制度です。

特別養子縁組制度は1987年導入、1988年から実施されてきましたが、しばらくは民間のあっせん団体を中心に行われていました。
2017年に改正児童福祉法が施行され、「養子縁組に関する相談や支援は児童相談所の業務である」と明確に位置づけられます。2018年には養子縁組あっせん法も施行され、児童相談所と民間のあっせん団体が連携するような事例もでてきています。
さらに、2020年には民法が改正され特別養子縁組制度の対象年齢が6歳未満から15歳未満に引き上げられ、養親の手続きなどにかかる負担も軽減されました。
「2013年にプロジェクトを開始したときには、正直に言って法制度が不十分だと感じたことも多くありました。しかし、少しずつではありますが法整備も進み支援の輪が広がるとは感じています」と高橋さんは語ってくれました。