「まごわやさしい」魔法のレシピ 子どもが夢中! 海藻くるくる巻き

カンタン・高栄養・完食!#3【わかめの「わ」】「海藻の主食・主菜・副菜」

料理家:越野 美樹

海藻を使って、子どもがお手伝いをしながら、楽しく美味しく食べられるお料理。手前:わかめと彩り野菜の肉巻き 奥左:くるくるわかめ生春巻き 奥右:くるくるのり巻き  写真:越野美樹
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「不器用でも食べたいものは自分で作る!」をモットーに、料理家・越野美樹さんが「まごわやさしい」素材を使ったレシピを提案する連載(全7回)。

まごわやさしい」とは、「め、ま、かめ(海藻)、さい、かな、いたけ、も」のこと。季節を問わず手に入る日本の伝統的な7つの食材です。

第3回は、わかめの「」。

香り高くて海の栄養がたっぷり含まれた海藻を使った3品をご紹介。

子どもが自然とお手伝いしたくなるきっかけを作る「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。

見た目も工程も楽しくて、子どもも美味しく食べられます! 

海藻はミネラルや食物繊維が豊富で、積極的にとりたい食材

我が家は、家族みんなその風味や味わいが好きで、ほぼ毎日、何かしらの形で海藻を取り入れています。

手前左から時計まわりに、とろろ昆布、のり、乾燥わかめ、塩蔵わかめ、茎わかめ、ひじき、あおさのり、青のり、昆布。  写真:越野美樹

基本的には、ご飯のお供にのりを添える、納豆に青のりを入れる、スープに乾燥わかめを入れる、おにぎりにとろろ昆布を巻く、うどんにあおさのりを入れる……など、ただ「入れるだけ」の食べ方がほとんど。

少し時間をかけられる週末には、いろいろな海藻を料理に使います。  

ひじきはぬるま湯で20分くらい戻してからきゅうりやカニかまぼこなどとマヨネーズサラダに、茎わかめはニンニク胡麻油炒め、昆布の出し殻は醤油と本みりんと米酢の佃煮などに。

どれも娘の大好物です。    

いろいろな海藻を試していただきたいですが、今回は手軽に手に入り、使いやすいわかめとのりを使った3品をご紹介します。

休日は近場にお弁当を持ってお出かけはいかが?

夏の行楽シーズン。    
「どこか遠くにお出かけしよう!」と思いがちですが、実は子どもにとって、遠くに移動する時間は、ただ退屈なだけ。    

公共交通機関で静かにさせるのは大変だし、車は車で渋滞中のトイレの心配などもありますよね。

娘は、家の周りや近所でいつもの通りに過ごすほうが楽しいようだったので、休みの日にはお弁当を持って、近くの公園によく出かけました。

今回ご紹介する海藻を使った3品のお料理を詰め込んだお弁当。暑い日は保冷バック・保冷剤が必須です。  写真:越野美樹

自分に余裕があって、娘のお手伝いの気分が乗った日には、一緒にお弁当を作りました。      

中でも、写真のようなくるくると巻くお料理は、見た目が華やかで、手で持って食べやすいのでオススメです。    

多少嫌いな食材が入っていても、具材を宝石のように彩りよく散りばめれば、子どももパクパク食べてくれます。

今回ご紹介する海藻を使ったくるくる巻き巻き料理、ちょっとした下ごしらえで美味しくなる方法と、簡単に作れるコツをご紹介します。

のりをあぶる。そのひと手間がクセになる!

海藻が体にいいと思っても、普段のご飯を作るだけで精一杯なので、つい忘れがちですよね。    

海藻で何か一品……というより、いつものお料理に海藻を加えてみると、磯の香りや楽しい食感が加わり、新しい発見が生まれるかもしれません。  

また、海藻は下ごしらえをきちんとすると、よりおいしくなります(とはいえ、忙しいときは適当になってしまいますが……)。

のりの表側を2枚くっつけ、裏側のざらざらした面を両方さっとあぶるのがおすすめ。

表と表を合わせ、裏側を両面からさっと焼きます。色つやと香りがよくなり、旨味が引き出され、食感もよくなります。  写真:越野美樹

あぶったのりは、おにぎりなど時間が経ってから食べたとしても、やはり香りの良さや旨味は続きます。    

ぜひ、あぶったのりとそうでないのりを、食べ比べてみてください!    

もうあぶらないのりは物足りなくて食べられないかもしれません。    

では、あぶったのりを使って、子どもと一緒に作れるお料理をご紹介します。

子どもでも簡単に巻ける『くるくるのり巻き』のレシピ

のり巻きは大人でも難しいですが、のりを半分に切って具材の形状を選べば子どもも簡単に巻けます。  写真:越野美樹

のり巻きは、具材を詰めてきっちり巻くのが難しいため、おにぎりよりもハードルが高いイメージがあるかもしれません。不器用な私は、とくにそう感じます。

でも、のり巻きを簡単に巻ける方法があるのです。

まず、のりを半分に切ること。幅が短いので楽に巻けます。

次に、ご飯の上にシート状の薄くて平たい食材を、その上に芯となる円柱形の食材を入れると、崩れずにきれいに巻けます。

さらに、子どもが自分で巻けば、苦手な野菜なども残さずに食べられることもあるのです!
今回は、子どもが好きな素材を選んでみました。

くるくる巻く作業は難しく感じるかもしれませんが、以下の3つのコツを押さえると、巻き簾がなくても上手に巻けます。

のりまきを巻くポイント
・具材を手前の方に置く
・両方の人差し指で具材を押さえる
・手前に引っ張るように巻く

今回も、手をよく洗ってからお手伝いしてもらいましょう。

【材料】2人分
のり 1枚半
酢飯 茶碗2杯分
青じそ 3枚
カニかまぼこ 2本
スライスチーズ 2枚
ハム 1枚
魚肉ウインナー 1本
ちくわ 1本
きゅうり 1/2本

【お手伝いポイント】
具材を用意してから声をかけてもいいですが、子どもが興味をもったら、きゅうりを一緒に切ったり、のりを切ったりするところから手伝ってもらってもいいかも。

【子どもにやってもらうこと】
①    のりの上にご飯を広げ、具材を順に並べてもらいます。決まりはないので、薄い具材を一つ、芯となる具材を一つずつ選んでもらいましょう。
②    手前からくるくると巻いていきます。具材を選べば、巻き簾がなくても簡単に巻けます。

薄い食材は前の方に、薄い食材の中央に芯となる食材を置きます。  写真:越野美樹

【作り方】

下準備:のりはあぶっておく。

1.きゅうりは横半分に切ってから千切りにする。

2.のり1枚を半分に切り、縦長に置いて、酢飯の3分の1を手前から3/4程度に薄く広げてのせる。残りののり2枚も同じようにする。

3.それぞれのご飯の上に、ハム(スライスチーズ)と青じそをのせる。

4.それぞれにカニかまぼこ(魚肉ウインナー・ちくわ)をのせる。隣に千切りしたきゅうりをのせる。

5.3でのせた具材を両方の人差し指で具材を押さえながら、手前から引っ張るようにくるくると巻いていく。

6.年齢に応じて半分〜4等分の食べやすい大きさに切る。
※濡らしたキッチンペーパーで包丁を拭きながら切ると、きれいに切れます。

酢飯は、我が家では煮切った本みりん・米酢・梅酢を合わせたものを使いますが、市販のすし酢でもOKです。

薄い食材は薄焼き卵やレタスなど、芯にする食材は焼いたウインナーや厚焼き卵など、お好みの食材でも作ってみてくださいね!

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