『吾輩は猫である』を英語にすると? 【ことばのふしぎ大冒険13】
第5話 自分は「私」「あたい」「拙者」?(1)
2023.12.13
コピーライターの川上徹也氏とグラフィック・クリエイターの春仲萌絵氏による新感覚・日本語エンタメ本が話題だ。今回のテーマは「日本語の一人称」。自分のことをさす言葉がこんなに多いのは日本語だけ?
本記事は発売中の書籍『もえとかえる ことばのふしぎ大冒険』の一部を抜粋・編集したものです。
前回のお話はこちら!
かえる大納言
「さすがもえ殿、いいところに気づいたケロ。
日本語は自分をさす言葉(一人称)がいろいろあるけど、多くの国の言葉では、一人称はひとつだけなんだケロ」
もえ
「え、そうなの?」
かえる大納言
「たとえば、夏目漱石の名作『吾輩は猫である』も、英語に翻訳されると『I Am a Cat』っていうタイトルになるんだケロ」
もえ
「なんか、あじけないねぇ」
もえ
「そういや、かえるは自分のこと『麿(まろ)』とかいってるね」
かえる大納言
「麿は貴族だからねぇ」
もえ
(貴族? 鳥だけじゃなくて『かえる貴族』もあるのか?)
※『麿』とは平安時代以降につかわれた言葉で、貴族などが自分のことをさす一人称
かえる大納言
「相手のことをさす言葉も、日本語だといろいろあるケロよ」
もえ
「なんで日本語って、こんなに自分や相手をさす言葉が多いの?」
かえる大納言
「それは……」
<次回>
日本語に「一人称」が多い理由とは?
つづきはこちら!
※公開日(12月16日)までリンク無効
※毎週土曜・水曜に更新
『もえとかえる ことばのふしぎ大冒険』
川上徹也、春仲萌絵(著)
定価:1,540円(税込)
ISBN:978ー4-06-533053-1
イラスト©春仲萌絵
読者対象:小学校4年生以上
日常生活のなかにある「ことばのふしぎ」を通じて、国語の楽しさ・奥深さが、マンガとイラストで楽しく学べる新感覚・日本語教養エンタメ本です。
春仲 萌絵
1997年生まれ。埼玉県出身。跡見学園中学・高校、学習院大学経営学科卒業。2017年よりグラフィックレコーディングを開始し、多くのイベントや会議、セミナー等へ参加。グラレコのほかに図解イラストやホワイトボードアニメーションなど、グラフィックの力を使って想いを彩る「グラフィック・クリエイター」として幅広く活動中。やわらかさ、あたたかさ、エモさにこだわった手描きのイラストや文字での表現を得意とする。 主な仕事として『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(川上徹也/文藝春秋)の図解イラスト、テレビ朝日「おるおるオードリー」やTOKYO FM「山崎玲奈の誰かに話したかったこと。」(ダレハナ)でのグラレコなどがある。
1997年生まれ。埼玉県出身。跡見学園中学・高校、学習院大学経営学科卒業。2017年よりグラフィックレコーディングを開始し、多くのイベントや会議、セミナー等へ参加。グラレコのほかに図解イラストやホワイトボードアニメーションなど、グラフィックの力を使って想いを彩る「グラフィック・クリエイター」として幅広く活動中。やわらかさ、あたたかさ、エモさにこだわった手描きのイラストや文字での表現を得意とする。 主な仕事として『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(川上徹也/文藝春秋)の図解イラスト、テレビ朝日「おるおるオードリー」やTOKYO FM「山崎玲奈の誰かに話したかったこと。」(ダレハナ)でのグラレコなどがある。
川上 徹也
大阪大学人間科学部卒業後、広告会社勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られる。言葉のプロとして日本語の成り立ちや語源についても研究を続けており、その奥深さや美しさを「やさしく深くおもしろい」をモットーに伝えていくことを使命にして、作家活動を続けている。 著書は『マンガで笑って、言葉の達人!超こども言いかえ図鑑』(Gakken)、『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(ポプラ社)、『ザ・殺し文句 』(新潮新書)、『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(文藝春秋)などがある。海外にも20冊以上が翻訳されている。
大阪大学人間科学部卒業後、広告会社勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られる。言葉のプロとして日本語の成り立ちや語源についても研究を続けており、その奥深さや美しさを「やさしく深くおもしろい」をモットーに伝えていくことを使命にして、作家活動を続けている。 著書は『マンガで笑って、言葉の達人!超こども言いかえ図鑑』(Gakken)、『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(ポプラ社)、『ザ・殺し文句 』(新潮新書)、『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(文藝春秋)などがある。海外にも20冊以上が翻訳されている。