「悪いことをしない」だけじゃダメ? 【今日の聖書のことば】佐藤優・作家

「なすべき善を知りながら行わないなら、それはその人の罪です」とは 〔3分で読める! やさしい心を育むメッセージ〕(4)

イラスト:力石ありか

※本記事は書籍『1日3分でやさしい心が育つ 聖書のことば』(著:佐藤優)の一部を抜粋、編集したものです。

【なすべき善を知りながら行わないなら、それはその人の罪です】

聖書:
だから、なすべき善を知りながら行わないなら、それはその人の罪です。

メッセージ:
「いいこと」を自分からやろう

『新約聖書』の「ヤコブの手紙」は、各地のキリスト教徒に教えを再確認させるために書かれたとされる文書です。

ここでいう「なすべき善」とは、しなければならない、よい行いのことです。

キリスト教徒にとっては
「自分の隣人を自分と同じように愛すること」
になります。

たとえば、困っている人がいるのに見て見ぬふりをしたら、それは「罪(悪いこと)」になります。

キリスト教において救われる人、救われない人

キリスト教の「終末論(しゅうまつろん)」では、点に昇ったイエスがふたたび地上にあらわれて「最後の審判(しんぱん)」を行い、永遠の命を受ける人と滅びる人にわけると考えます。

しかし、キリスト教では、よいことをしていればこのときに救われ、悪いことをしていれば滅びるとは考えません。

どんな人が選ばれるかは神さまだけが知っています。

それでもキリスト教が「よいことをしなさい」と教えるのは、見返りを求めずによいことをすることを神さまが望んでいるからです。

「悪いことをしない」だけではダメ

私たちはただ
「悪いことをしなければいい」
というわけではなく、自分から進んでほかの人を助けることが大切。

それを伝えることばなのです。

『1日3分でやさしい心が育つ 聖書のことば』
佐藤優(監修)
定価:1,430円(税込)
ISBN:978-4-06-531753-2
イラスト©力石ありか
読者対象:小学校3年生以上

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イラスト©力石ありか
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