どんな英語教育をすればいい? 年齢別「成功する英語学習の順序」を公開!

英語は学習スタート年齢によって学ぶ内容が違う! 世界で活躍できる英語力の育て方 #3

バイリンガルスクールTLC for Kids代表:船津 徹

アルファベットチャートを勉強するタイミングは、英語を学習する年齢によって違います。 写真:アフロ

ハワイにてバイリンガルスクールの代表を務め、自身も教鞭をとっている船津徹先生は、第二言語として英語を習得する子どもたちにネイティブの学習法を使って教えています。

この方法を使って英語学習をすると、将来に役立つ英語力を子どもにプレゼントすることができるからです。

しかし、言語習得は順番が重要であり、英語学習をスタートする年齢で学ぶ順番や期間に多少、違いがあります。

「世界で活躍できる英語力の育て方」第3回は、3歳から、あるいは6歳以上で学習をスタートする場合など、年齢別の英語学習の内容などを先生に伺います(全5回の3回目、#1#2を読む)。

◆船津 徹(ふなつ とおる)
バイリンガルスクールTLC for Kids代表。幼児教育の権威である故・七田眞氏に師事。2001年ハワイ・ホノルルにTLC for Kidsを設立し、英語力、コミュニケーション力、論理力など、世界で活躍できるグローバル人材を育てるために独自の教育プログラムをもって指導にあたっている。2020年までに5000名以上の子どもの教育に携わり、卒業生の多くが世界の難関大学に進学し、各国で活躍している。

世界に通用する子どもの育て方」全4回シリーズを読む

スタート年齢別 英語学習の順序とその内容

船津先生が提唱する「日本人の子どものための英語学習」のステップは次のとおりです。

船津先生がオススメする 日本人の子どものための英語学習プロセス

ステップ0 → フォネミック・アウェアネス(Phonemic Awareness)​
英語を聞き分ける耳を鍛えること。英語特有の音感やリズム感を身につけます。

ステップ1 → フォニックス(Phonics)
英語の発音と文字の関係性を学ぶこと。船津先生曰く、フォニックスは日本語でいうなら「ひらがなの文字と50音」を覚えることに相当します。

ステップ2 → サイトワーズ(Sight Words)
英語の頻出単語を覚えること。サイトワーズは日本語の「漢字」に相当します。

ステップ3 → フルエンシー(Fluency)~リーディング(Reading/洋書の多読)
簡単で短い英語の本から、章立ての本まで文章をたくさん読むこと。理解よりもスラスラ読めることが重要。

ステップ0~ステップ3まであり、英語学習をスタートする年齢によって学ぶ順番や学ぶ期間が異なります。次はモデルケースです。

小学生から英語学習をスタートする場合は、幼児の学習がスキップ可能

「必ずしも前述したケースが正解ではありませんが、私が考えるスタート年齢別の英語学習順序とその期間の目安を表にしてみました。

例えば、3歳という幼児期から英語学習を始めるなら、英語のリズム感や音感を身につけるフォネミック・アウェアネスからスタートします。

すでにお子さんが4歳や5歳になっているなら、フォネミック・アウェアネスを学ぶ期間を半年程度にし、それと並行するようにフォニックスをスタートしてもいいでしょう。

6歳から、つまり小学校入学前後から英語学習をスタートする場合は、幼児期のステップであるフォネミック・アウェアネスをスキップして、英語の発音と文字の関係性を学ぶ段階であるフォニックスから始めてもいいと考えます」(船津先生)

先生の解説のとおり、年齢が上がってからスタートする場合は、幼児期段階を飛ばして、英語学習を始めることが可能です。

とはいえ、この段階をスキップすると英語の音感学習が不足することもあるため、場合によっては英語の歌を聞かせるといったフォネミック・アウェアネスと同様のフォローが必要です。

また、各ステップを順序よくクリアすると英語の本が読めるようになり、最終的にはフルエンシーから、その地続きにある「リーディング(洋書の多読)」の段階に入ります。

「リーディング(洋書の多読)では、原書の『ハリー・ポッター』が読めるのが目標であり、目指したいレベルです。非常に高度なゴールですが、適切な順番で段階を経ていけば夢ではありません」(船津先生)

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