10代女性の93%が「容姿に自信がない」! 日本に今、必要な新価値観“ボディニュートラル”とは
10代の子と親が知っておきたい「性」の新知識 #3~思春期の心や体の悩み編~
2023.02.20
医療ライター:及川 夕子
10代へ向けての性教育本『はたらく細胞LADY 10代女性が知っておきたい「性」の新知識』を2022年11月に上梓した医療ライターの及川夕子(おいかわ・ゆうこ)さん。
執筆中は、10代が抱えるモヤモヤを集め、分類したと言います。そのうち多く集まったものの一つが、自身の見た目に関する悩みです。
日本の10代女性は世界で一番自信がないことも明らかに。今、子どもたちに伝えるべき価値観とは?
及川夕子(おいかわ・ゆうこ)PROFILE
医療ライター。新聞社勤務を経て、記事の企画、編集、執筆を手がけるフリーランスに。近年は、女性の美容&ヘルスケア、医療を中心に活動。
「自分の見た目に自信がない」10代女性が世界一多い日本
「本にも掲載しましたが、世界14ヵ国の10代女性に行った調査データによると、『自分の容姿に自信がない』と答えた10代女性は世界中にとても多い。
中でも日本人女性は93%と一番多いことがわかりました。以前取材した児童精神科医からは、これにはTikTokやYouTubeなどの影響も大きいと聞いています」(及川さん)
動画やSNSを見ることで、キラキラしたインフルエンサーと自分を比べて落ち込んでしまう。また、体を細く見せる、色白にするなどアプリで加工した画像を多く目にすることで、「痩せているほうがいい」「色白のほうがかわいい」などの価値観がすり込まれてしまうと言います。
今の時代のあるあるかもしれませんが、見た目にとらわれすぎることは容姿で人を判断する「ルッキズム(外見主義)」にもつながっていきます。
「このような現状の課題を知ってもらいたいけど、私がただ意見を述べるだけでは読者に届けるのは難しい。そこで、本書ではできる限り客観的なデータを掲載するようにしたのです。
あるとき、ラジオ出演でお会いしたパーソナリティーの方から『自分の見た目について、私だけでなくみんなも悩んでいるとわかったら、安心しました』と言われました。こういうデータがフックになって、心が軽くなる人もいる。誰かの助けになっているのだとうれしく思いました」(及川さん)