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1日に何度も訪れる赤ちゃんへの授乳タイム。つい時間を有効活用したくて、スマホを見ながら授乳やミルクをあげているというママやパパもいることでしょう。そこで授乳中にスマホを使用したときの赤ちゃんの影響について、公認心理師であり、臨床心理士の帆足暁子さんに解説してもらいました。
赤ちゃんに母乳やミルクをあげている間、スマホでSNSやニュースをチェックしたり、夕食のレシピを検索したりすることは、毎日忙しいパパやママにとって有意義な時間の過ごし方かもしれません。
でも、赤ちゃんにとっての授乳タイムは、空腹を満たすだけの時間ではありません。精神的な幸福感を得たり、パパやママとの関係を築く大切な時間でもあるのです。
人は人と目を合わせて心を通わせ、心のつながりを作りますが、生まれてすぐの赤ちゃんはまだよく目が見えていません。赤ちゃんの目の焦点が合うのはだいたい30cmのところ。これはちょうど授乳中の赤ちゃんとママの目の距離です。
赤ちゃんにいろいろな図形を見せる実験をすると、人間の目のように黒い点が2つある人の顔の図形を一生懸命見ようとします。視力の弱い、生まれてすぐの赤ちゃんでも「30cmのところにある黒い2つの点を見る」という特性があることから、「授乳中にアイコタクトをして、ママと心をつなげること」は、遺伝子に組み込まれた本能的なものだと考えられているのです。
しかし、パパママが授乳中にスマホを見ていると、赤ちゃんがパパママを一生懸命に見つめていてもアイコンタクトが成立しません。
授乳中のアイコンタクトが不足すると、ピントを合わせるための神経が育たず、生まれ持っていたアイコンタクトの機能が衰えてしまいます。そうすると、次第に人と目を合わせることが苦手になってしまうことも。脳には可塑性があり、よく使う神経は太く安定していきますが、使わない神経は細くなって消えていくからです。
目を合わせられなくなると、親が大事なことをしっかり言い聞かせようとしても、目を見て話を聞くことができません。そうするとしつけへの悩みが増えていきます。それほどに授乳中のアイコンタクトは赤ちゃんの成長過程の中でとても大切なものなのです。
それと、スマホの怖いところは「ちょっと夕飯のメニューを探すだけ」「友だちにメッセージを送るだけ」と思っていても、つい他の気になるコンテンツに誘導されてしまうことです。デジタルコンテンツにはそもそも「のめり込ませる仕掛け」が盛りだくさん。誰でもさっと切り上げるのは難しく、ついスマホを見続けてしまったということが起きてしまうのです。
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