コロナ禍で受診は控えるべき?小児科医が答える「小児科受診」Q&A

信頼できる“ご近所かかりつけ医”の見つけ方 #2小児科受診のQ&A編

兵庫県立丹波医療センター小児科医長:岡本 光宏

医師にはメモとスマホで説明し 家族間はSNSで情報共有

子どもは発熱など突発的な体調不良で受診する機会も多いもの。また、コロナ禍では、子どもの発熱にとくに敏感になってしまう保護者も少なくないでしょう。

コロナが蔓延する現在(2021年9月)、受診の際に押さえておきたいポイントを教えてもらいました。
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【コロナ禍で気をつけること編】

Q1:小児科を受診する際に準備しておくといいことはありますか?

A1:持ち物は、母子手帳とお薬手帳、メモがあれば大丈夫です。メモには、お子さんの症状や発症した時期、アレルギーの有無など医師に伝える情報を書いておき、LINEなどを使って家族で共有すると便利です。

発疹やセキ、熱性痙攣などの口では説明しづらい症状の時は、スマホで画像や動画を撮っておきましょう。

Q2:コロナ禍で子どもが発熱した場合は、真っ先にどこに連絡をすればいい?

A2:状況や地域によって対応が異なりますが、お子さんが濃厚接触者でない限りは、まずかかりつけ医に電話をしてほしいです。

濃厚接触者の場合は、保健所でもかかりつけ医でもどちらでも大丈夫です。心配ごとがあれば、かかりつけ医に相談してください。

Q3:オンライン診療のメリット・デメリットを知りたい!

A3:オンライン診療は今後拡大するでしょうし、日本医学会連合からガイドラインも出ています。しかし、あくまでも対面診療の補助としての意味が大きいです。

たとえば、喘息で継続的なフォローが必要な患者さんで、毎月病院に来るのが難しい場合に何回かに1回をオンライン診療にするような方法であればいいでしょう。ただし、医師と患者の間で信頼関係ができていることが前提です。

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全2回のインタビューを通じて、かかりつけ医を持つことのメリットや受診のポイントについて伺い、小児科選びの大切さを改めて実感しました。

最後に、コロナ禍の受診について岡本先生からのメッセージを紹介します。

「現在は、不要不急の外出を控えている人もいます。とくに最初の緊急事態宣言が発令された時には、お子さんの受診を控える方も多数いました。

不安を感じるのも分かりますが、予防接種や乳幼児健診などのヘルスケアまで控えてしまうのは、本末転倒です。

とくに乳幼児健診の場合、『キーエイジ』といって月齢や年齢にあわせてチェックする項目があります。10ヵ月健診は生後10ヵ月で受けるからこそ価値を持つため、時期を遅らせると健診機能を発揮できなくなる可能性も。

予防接種や乳幼児健診は、コロナにとらわれすぎることなく受けてほしいです」

赤ちゃんや子どもの病気、健康に生活するためのポイント、受診の仕方までを網羅した『赤ちゃんと子どもの病気・ホームケア事典』(監修:岡本光宏/朝日新聞出版)

取材・文/畑菜穂子

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おかもと みつひろ

岡本 光宏

小児科専門医・アレルギー専門医

おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/

おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/

はた なおこ

畑 菜穂子

ライター

1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona

1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona