子どもの「ヘッドホン・イヤホン難聴」を防ぐには? 耳鼻咽喉科医が教える予防法と注意サイン

耳鼻咽喉科医・吉川沙耶花先生に聞く【子どものヘッドホン・イヤホン難聴】 (2/4) 1ページ目に戻る

耳鼻咽喉科専門医:吉川 沙耶花

静かに進む「ヘッドホン・イヤホン難聴」とは? 日常生活に潜むリスク

イラスト/吉田いらこ
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スマホで音楽を聴いたり、動画やゲームを楽しんだり、あるいはオンライン授業や会議に出席したり。気づけば毎日のようにヘッドホンやイヤホンを使っている人は多いと思います。

便利な一方で、使い方を誤ると聴力に影響が出ることがあり、とても問題になっています。それが「ヘッドホン・イヤホン難聴」です。

大きな音が原因で起こる難聴には二種類あります。ひとつは、工場の機械音や道路工事のような騒音が原因で起こる「騒音性難聴」。もうひとつは、ライブ会場やイヤホンで音楽を大音量で聞き続けることで起こる「音響性聴覚障害」です。

ヘッドホン・イヤホン難聴とは、イヤホンを使用し大きな音量で音楽などを聞き続けることにより、音の振動を脳へ伝える役割をしている細胞が少しずつ壊れて起こる「音響性聴覚障害」のことをいいます。

つまり、特別な職場環境にいなくても、普段の生活の中で誰でも起こりうる、身近な難聴といえます。

WHO(世界保健機関)は、世界の12~35歳の若者のうち、約半数にあたる11億人が、ヘッドホンやイヤホンなどの個人用オーディオ機器の使い方によって、将来的に聴覚に障害を抱える可能性があると警告しています(※)。

※WHOニュースリリース2019年2月12日配信
https://www.who.int/news/item/12-02-2019-new-who-itu-standard-aims-to-prevent-hearing-loss-among-1.1-billion-young-people?utm_source=chatgpt.com

ヘッドホン・イヤホン難聴は、イヤホンを使う習慣により、若年者でも起こりうる、現代ならではの“身近な難聴”なのです。

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