「子どもの権利」って何? 川崎市が具体化した「子ども会議」と「夢パ」がスゴい 他の自治体に拡げるには?

子どもの権利条約批准30周年“子どもの権利”の現在地#2~川崎市の取り組み~

フリーライター:浜田 奈美

「そうしたら『途中までしかできなくても、当日はその状態でやればいいんです。参加したいと思う本人たちの意志を尊重しましょう』と言ってくれました。子どもを信じきる考え方に、感動しました」

露店を建てる作業中、ケガをした子もいたそうですが、マユミさんは「何をどうすればケガしてしまうのかを理解する、大切な経験になりました」ときっぱり。イベントを終え、仲間と売り上げを計算していた長男からは「来年もやる!」と、力強い宣言も飛び出しました。

平均年齢ひとけたの幼いチームも出店。このチームはどんぐりやおりがみを景品にしたゲームコーナーを運営していた。  写真:浜田奈美
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「横丁」のひとこま。あちこちの模擬店に行列ができていた。  写真:浜田奈美

川崎市の「子どもの権利に関する条例」は、「自分で決める権利」や「参加する権利」を子どもたちに保障しています。「横丁」では子どもたちが力いっぱい自分の権利を行使し、大人たちはその権利を侵さない「ふるまい」を学ぶ機会となっているのです。

次回は、全国各地の「子どもの権利」にまつわる条例をご紹介します。


取材・文/浜田奈美

フリーライター浜田奈美が、難しい病や障害とともに生きる子どもたちが子どもらしく過ごすための場として横浜に誕生したこどもホスピス「うみとそらのおうち」での物語を描いたノンフィクション。高橋源一郎氏推薦。『最後の花火 横浜こどもホスピス「うみそら」物語』(朝日新聞出版)
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はまだ なみ

浜田 奈美

Nami Hamada
フリーライター

1969年、さいたま市出身。埼玉県立浦和第一女子高校を経て早稲田大学教育学部卒業ののち、1993年2月に朝日新聞に入社。 大阪運動部(現スポーツ部)を振り出しに、高知支局や大阪社会部、アエラ編集部、東京本社文化部などで記者として勤務。勤続30年を迎えた2023年3月に退社後、フリーライターとして活動。 2024年5月、国内では2例目となる“コミュニティー型”のこどもホスピス「うみとそらのおうち」(横浜市金沢区)に密着取材したノンフィクション『最後の花火』(朝日新聞出版)を刊行した。

1969年、さいたま市出身。埼玉県立浦和第一女子高校を経て早稲田大学教育学部卒業ののち、1993年2月に朝日新聞に入社。 大阪運動部(現スポーツ部)を振り出しに、高知支局や大阪社会部、アエラ編集部、東京本社文化部などで記者として勤務。勤続30年を迎えた2023年3月に退社後、フリーライターとして活動。 2024年5月、国内では2例目となる“コミュニティー型”のこどもホスピス「うみとそらのおうち」(横浜市金沢区)に密着取材したノンフィクション『最後の花火』(朝日新聞出版)を刊行した。