子どもも大人も強い感染力に注意! 夏に流行しやすい皮膚・目の感染症

夏にかかりやすい子どもの病気#3「とびひ」「流行性角結膜炎(はやり目)」

小児科医:渋谷 紀子

子どもだけじゃなく大人も注意「流行性角結膜炎」

流行性角結膜炎は、結膜(白目の部分)に炎症が起きる病気で、短期間に集中的に感染が広がるため「はやり目」とも呼ばれています。

原因となるウイルスは通常の消毒液では死滅しないため、手を洗って清潔にしておくことが予防の第一歩です。

ウイルスが付着した手で目を触ると感染します。  写真:アフロ

1) 流行性角結膜炎ってどんな病気なの?

アデノウイルスが原因の感染症で、感染力が強い病気です。かかりやすい年齢は5歳以下が多いのですが、小学生でも大人でも、幅広い年齢でかかります。

家族内でひとりが流行性角結膜炎にかかると、あっという間に感染が広がることがあるので注意が必要です。

感染のピークは8〜9月。感染経路はウイルスが手について、その手で目を触って感染する接触感染です。

例えば、感染した人が目を触ったあとでドアノブやそのほか様々なモノに触れ、他の人がそれらに接してウイルスが手についた状態で目をこすると高い確率で感染します。

潜伏期間は1〜2週間です。突然、白目の部分が赤くなって、まぶたが腫れ、涙が出たり、サラサラとした目やにのような分泌物が出ます。

また、黒目(角膜)が傷つくとまぶしさを感じるようになります。最初は片目のみ発症して、次第に両眼に広がるのが感染のパターンです。

アデノウイルスが原因の夏の病気には「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ、プール熱、#2を読む)」があり、充血だったり、目やにだったり、同じように目の症状が見られますが、こちらは高熱やのどの痛みといった全身症状があります。子どもの体全体に影響がある場合は、咽頭結膜熱を疑ってもいいでしょう。

流行性角結膜炎は咽頭結膜熱とは別のタイプ(型)のアデノウイルスによるもので、結膜に特に強い症状が出て、耳の前のリンパ節が腫れたりする特徴があります。

目のトラブルには「ものもらい(めばちこ)」もありますが、まぶたにある汗や油を分泌する腺が細菌に感染することで起こる病気です。ウイルスによる流行性角結膜炎とは異なり、人にはうつりませんが、子どもの目やまぶたが赤くなったり、痛がったりした場合は眼科を受診しましょう。

2) おうちでの応急処置と病院での対処法

おうちに常備している子ども用の目薬を点眼するよりも、感染症なので病院に行くことをオススメします。

眼科を受診するのがよく、抗菌点眼薬や炎症を抑えるステロイドの点眼薬など、症状にふさわしい薬が処方されるでしょう。

通常は1〜2週間程度で治りますが、症状が重い場合や黒目(角膜)に炎症が及んだ場合はそれ以上の治療期間が必要です。

3)集団生活への復帰タイミングとは?

流行性角結膜炎は学校保健安全法が定める学校感染症のひとつで、完全に治るまでは出席停止です。

受診して医師が感染の恐れがないと判断するまでは登園・登校は控えましょう。また、大人の場合も出勤に関しては、医師の判断を仰ぐのが賢明です。

4)そのほかの注意事項について

アデノウイルスは非常に感染力が強いウイルスです。インフルエンザのようにアルコール消毒が有効ではないので、手洗いを徹底することが1番の予防法です。

もし感染してしまった場合は、目を触ったら石けんと流水で手をよく洗い、こまめにきれいにしておくことが周りの人にうつさないための方策です。

お風呂は最後に入るか、シャワーをオススメします。タオルの共有をしないことは大前提ですが、目やにや涙はティッシュで拭き取り、分泌物に触れないように捨てることも大切です。

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第4回は、夏の皮膚トラブルに数えられる「あせも」と「熱中症」について、症状やケア法を紹介します。

取材・文/梶原知恵

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しぶや のりこ

渋谷 紀子

小児科医

愛育クリニック院長兼小児科・母子保健科部長。日本小児科学会専門医・認定指導医。日本アレルギー学会専門医。東大病院小児科、愛育病院小児科...