国交省に聞く「ベビーカートラブル」対策 「必要なのはお互いの“思いやりの気持ち“」
安全・快適な「ベビーカー移動」のために2023 #1~国交省・こそモビ編~
2023.02.20
ライター:遠藤 るりこ
交通事業者は接遇の研修を
ベビーカー移動問題には、「利用者の気づかい」、「周囲の思いやり」、「事業者の研修教育」、三者からの視点が重要です。
「交通事業者においては、引き続きベビーカー利用者への接遇についての研修などをしっかりおこなっていただければと思います」(久島さん)
これらの視点のほかに、こそモビ協議会にて報告されている事例から、ベビーカー利用者がラクになる手段は他にないのでしょうか。
「都心部なのか、地方部なのか、地域によってもアプローチの仕方が違ったりしますよね。子育てにやさしい環境づくりとしてベビーケアルームの設置など、全国各地で行われている先進的な取り組みがあります。こそモビ協議会の場で情報を共有し、『うちもやってみようかな』という団体や事業が増えたらいいなと思います」(久島さん)
ベビーカー利用についての問題のみならず、「いろいろな世代の人がお互いに思いやりを持つ世の中になれたらいいですね」と久島さん。
「現在、子育て中で利用している人にとっては大きな問題ですが、ベビーカーを利用したことがない、そもそも触ったことがない世代も多くいます。それでも、移動手段として現代の子育て層には欠かせないものだというのを認識していただき、お互いに思いやりを持って譲り合う、ということで理解を深めていければ」(久島さん)
近年、都市部では特に、街のバリアフリー化が進んでいます。
「バリアフリーが叫ばれ、街が整備されて、障がいのある方の移動等が改善されていったのが、今から20年前のこと。案内表示なども増えてきており、さまざまな人にとって過ごしやすい、移動しやすい街を目指して整備されてきています。
しかし、公共交通機関におけるベビーカー利用についてはまだまだトラブルを耳にします。私たちはさらに、ベビーカー利用への思いやりの気持ちを広めていくことが重要なのだと思います」(久島さん)
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次回は、子連れ移動を楽にする新サービスを取材。子育て世代が発案した、子どもとのお出かけを安全・快適にする世の中の仕掛け作りを担う新サービスを3つをご紹介します。
取材・文/遠藤るりこ
取材協力/国土交通省
【脚注】
※1=国土交通省インターネットモニターアンケートにおけるベビーカーマークの認知度について(概要)
関連サイト/
●子育てにやさしい移動に関する協議会
遠藤 るりこ
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe