1~3歳児子育て ママの体を作るストレッチ & 親子で楽しめる筋トレ!
上田泰子先生 子育てママの心と体がやわらぐストレッチ#2 1~3歳児ママの体作りストレッチ
2022.07.09
OKJエアロビックファミリー・22世紀親子からだ育て塾代表:上田 泰子
乳児期を経て、動きが活発になってくると体力勝負の日々が続きます。
元気いっぱい遊ぶ幼児がいるママは、常にアスリートのような生活を送っていると言っても過言ではありません。
2回目は、子どもと元気に過ごすための体作りや、体を痛めたときの対処法になるストレッチと親子で楽しめる筋トレを引き続き「OKJエアロビックファミリー」・「22世紀親子からだ育て塾」代表の上田泰子先生に伺いました。
(全3回の2回目)
1回目はこちら
幼児ママの体作りで知っておきたいこと
──幼児を育てるママが、気をつけたい体の不調について教えてください。
上田泰子先生(以下、上田先生):お子さんが1~3歳ごろになると、月経が再開する方が多いと思います。約1ヵ月周期のホルモン変動がまた始まるので、心身ともに不調を感じやすくなります。
不調が100%改善することにこだわらず、この時期は「50%でも良くなったらいいな」と考えるぐらいの気持ちで運動などを取り入れてみるのはいかがでしょうか。
──子どもとの生活の中で、体を痛めたときにできる適切なケアはありますか?
上田先生:部位と状況にもよりますが、いわゆるマイナートラブルと呼ばれる痛みや不調はストレッチで改善につながることも多いですよ。場合によっては、無理に動かさず安静にしたほうがよい不調もあるので、「なんだかおかしいな?」と思ったら、まずはお医者さんに診てもらうことが一番です。
──幼児ママが元気に過ごすために、日頃からできる体作りについて教えてください。
上田先生:筋肉には“赤筋”と“白筋”というものがあります。“遅筋”とも呼ばれる“赤筋”は、動き続けるために必要な筋肉。対して、“速筋”とも呼ばれる“白筋”は、瞬間的に動くために必要な筋肉です。
幼児と過ごしていると、思わぬ出来事が多いので、瞬発力のある動きが求められますよね。「危ない!」と思って急に動いたことで体を痛めることがないように、白筋を意識した体作りをすると良いでしょう。
また、ママ自身の栄養バランスも気にかけてあげてください。授乳が終わると、子どもの栄養はしっかり考えても自分のことは後回しになるママが多いと感じています。
ママに摂ってもらいたいのは、タンパク質を構成する必須アミノ酸のひとつ「トリプトファン」。「トリプトファン」を摂ると、心を安定させたり、やる気を引き出す「セロトニン」を作る元にもなることがわかってきました。
さらにセロトニンは、「睡眠ホルモン」と呼ばれる「メラトニン」に変化し、ぐっすり眠れるようにもなります。
鶏むね肉や大豆などは安価でおいしく食べられるのでおすすめです。栄養あってこその運動なので、忙しいと思いますが、ぜひ取り入れてみてくださいね。
抱っこやおんぶによる「肩こり」を解消するストレッチ
1~3歳の幼児さんは、歩けるようになっても、まだまだ「ママだっこー!」と甘える時期。赤ちゃんのころとは違い、子どもの体重も増えて、動きも活発になっているので、抱っこやおんぶでママの体にかかる負担は大きいです。
また、便利な抱っこひもも、長時間着用していると、気づかぬうちに首や肩に負担がかかり、なかなか改善しない肩こりに悩まされているママも多いのではないでしょうか。
まずは、抱っこやおんぶによる肩こり改善につながるストレッチから。
【肩こりを解消するストレッチ】
1.手の甲を背中にあて、両ひじを前後に動かしましょう。ちょうちょうの羽のような動きをイメージしてください。肩甲骨が動き、胸の位置も変化していることがわかります。そのまま肩を後ろにぐるぐると回してみましょう。
2.肩甲骨の上にある溝に、小さな筋肉(棘上筋・きょくじょうきん)があります。そこを指で軽くもみながら、腕を前後に軽く揺らします。
3.頭を左右に動かしながら、棘上筋を優しくほぐしてあげましょう。続いて、肩甲骨から肋骨にかけてついている筋肉(小胸筋)を優しくほぐします。ほぐしながら肩も回してみましょう。
4.続いてはタオルを使ったストレッチです。ピンと張った状態でタオルを両手で持ちます。そのまま背伸びをしたり、ひじの高さまで腕を下ろしたり、肩を上下させる動きをくり返しましょう。
5.肩がほぐれたら、タオルを持ったまま手のひらを天井に向け、腕を頭の高さで後ろに伸ばします。脚を肩幅まで開き、体全体を左右にゆらゆら動かしましょう。
6.後頭部にタオルをかけ、上に引き上げます。タオルで頭を持ち上げるイメージです。そのまま体全体を左右に動かし、頭の重みから解放されましょう。
7.最後に背中をゆっくり丸めて、左右斜めに向かって体を伸ばします。一呼吸おいたら、ゆっくり起き上がりましょう。
【ストレッチのポイント】
抱っこひもで肩周りの圧迫が続くと、首と胸の間を通る神経が圧迫され胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)になってしまうことがあります。
手・腕・肩・首に痛みを感じたら、神経への圧迫を解きほぐすように棘上筋や小胸筋を優しくもみほぐしてあげましょう。
※ストレッチは無理せず、体調に応じて行ってください。
【肩こりを解消するストレッチ】を動画でご紹介
肩こりを解消するストレッチ
添い寝で「寝違えた」ときのストレッチ
寝かしつけのとき、お子さんによっては、腕枕や抱っこしたままで寝るのが習慣になっていたりすることがありますよね。
子どもは安心して眠れますが、眠りにつくまで同じ姿勢を保たなくてはならず、ママの体はカチコチに! さらにそのまま寝落ちしてしまい、朝起きたら寝違えて、一日中首が回らない、なんていうことにも。
次は、添い寝による寝違えで首を痛めたときにおすすめのストレッチをご紹介します。
【添い寝で寝違えたときのストレッチ】
1.口を開閉して、関節の動きを確認しましょう。関節が動く部分を軽く指で刺激します。
2.耳の下から鎖骨まで、ピアノを弾くような指使いで優しくほぐします。顔の向きを変えながら行いましょう。
3.次にホットタオルを用意し、鎖骨あたりに当てた状態で優しくさすってあげます。続いてタオルを肩におき、腕を前後に振りましょう。手のひらを返しながら行います。そして首の後ろにタオルをあてて温めます。優しく首を押しながら、上下左右に頭を揺らしましょう。
4.フェイスタオルを両手に持ち、後頭部にかけた状態で体を丸めます。そのままの状態で頭を左右に揺らしてみましょう。タオルの抵抗を使ってゆっくり起き上がり、左右斜め、真ん中と体を屈めて伸ばします。
5.続いて、顔の運動です。口の中で舌を上下左右にぐるりぐるりと動かします。舌の動きに合わせて、眼球も動かしてみましょう。
6.最後に首の後ろを優しくほぐして終了です。
【ストレッチのポイント】
まず、口を開けたり閉じたりして関節の動きをよく確かめましょう。どのストレッチもそうですが、使っている筋肉や痛めている箇所が自分で把握できるとストレッチが効果的です。
※ストレッチは無理せず、体調に応じて行ってください。
【添い寝で寝違えたときのストレッチ】を動画でご紹介