

小3の男の子と小1の女の子を育てる、エニママライターの垣内千夏です。私は息子が0歳のときに、子育てをしながら「保育士」の資格を取得しました。今回はその時の経験をみなさんにシェアします。
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第1子となる息子を出産してからは、私の生活はすっかり子ども優先となりました。スキマ時間はスマホを見るだけで終わる……そんな日々を過ごしているうちに、自分の価値がなくなっていくような感覚がジワジワと心に広がりはじめ、「何かしたいな……」と考えるようになりました。
その「何か」として私が選んだのが、「保育士」の資格取得です。
きっかけは、実母(当時60代)が保育士資格をとったこと。
母は10年以上、保育補助として働いていたのですが、ある日「保育士資格、ようやく取れたの!」と報告が。フルタイムで仕事をしながらこっそり勉強をしていたようで、そんなことはまったく知らなかった私は、ただただびっくり。
よくよく聞いてみると3回試験に落ちて、それでもあきらめずに挑戦し続けていたんだとか。
我が母ながら「すごいな~」と、心の底から思いました。
「子育てにも役立つから、千夏も挑戦してみたら?」と言われ、何かをはじめたくてうずうずしていた私は背中を押されたような気持ちになりました。「やってみようかな」と最初の一歩を踏み出すことになったのです。
保育士資格とはどんな資格なの?

保育士資格と聞くと「保育園で働くために必要な資格」というイメージはあっても、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。実は、私もそうでした。
保育士資格とは、子どもの保育をしたり、保護者の子育てをサポートしたりするための国家資格です。保育士資格がなくても、保育園で働くことは可能ですが、保育士資格がないと「保育士」を名乗ることはできません。
受験資格は「短期大学卒業程度」となっていますが、最終学歴が高等学校卒業であっても、条件を満たせば受験資格が得られます。
試験は、筆記試験と実技試験の2段階。筆記試験8科目すべてに合格すると、実技試験に進めます。実技試験は、3分野のなかから好きな分野を2つ選んで受験します。
試験科目が多いこともあり、合格率は20~30%と決して簡単な試験ではありません。
独学で目指すことも可能ですが、勉強時間は一般的に100~150時間以上が必要とされています。0歳児を育てながらこの時間をどう確保するかが、私にとって大きな課題でした。
参考:厚生労働省「ハローミライの保育士」
参考書を開いても何も頭に入ってこない…独学の壁
資格取得を決めた私は、「家にいるのだから時間はある! 子どもを見守りながら、独学で勉強しよう!」と意気込んでいました。
しかし、当時息子は生後4~5ヵ月で、目を離せる時間は本当にわずか。参考書をじっくり読む時間なんてないことに、すぐに気づきました。
それでも隙を見ては参考書を開いてみていましたが、何も頭に入ってきません。
最初の意気込みはどこへやら。現実は想像以上に厳しく、「あれ? これは無理かも……」と早々に不安になったのを覚えています。
そしてもうひとつ想定外だったのが、自分の記憶力の衰えです。暗記には自信があったのですが、思うように覚えられない現実にショックを受けました。