
やる気はあるけど時間がない 私流スキマ時間活用術4選
育児の合間に家事をこなす日々で、勉強に費やす時間なんてない現実に直面した私は、いくつかの工夫をこらすことにしました。
1 誰にも邪魔されない朝の1時間をつくりだす
日中はずっと息子と一緒なので、勉強時間は確保できません。夜は夜で、疲れとともに睡魔が襲ってくる……。
思うように勉強が進まない状況に「このままではダメだ!」と感じ、勉強時間は朝に確保することにしました。
起床は毎朝5時。最初は二度寝との葛藤でしたが、だんだんリズムが整うようになり、朝の1時間を勉強時間に充てることができました。
気をつけていたのは、目覚まし時計が鳴ったらいち早く止めることです。目覚ましの音で息子も一緒に起きてしまっては、元も子もありません。貴重な勉強時間を死守するためにも、早押しクイズ並みにすばやく止めていました。
とはいえ、息子が早朝に目覚めることも少なくなく、「あ~私の勉強時間が……」とモヤモヤしたことも多々あります。
2 散歩は参考書とともに
息子はまだ歩きはじめる前だったこともあり、午前中は自宅で過ごし、午後はお昼寝がてらベビーカーで散歩するのが日課でした。息子がベビーカーでお昼寝をしたら、スーパーに寄って買い物をしたり、本屋さんに寄ったり……。
ですが、勉強をはじめてからは「時間がもったいない」と感じるようになり、参考書を持ち歩くことに。息子が寝たら公園やショッピングモールのベンチで、持参していた参考書を読むようにしていました。
参考書のページを開いた瞬間に息子が泣いて起きることも(しばしば「やるぞ!」と思った瞬間に子どもが起きるのはなぜなんでしょう……)。そんなときは無理に粘らず、帰宅していました。
3 手は離せないから耳を使う
勉強の習慣がついてくると、食事の支度や離乳食のストックづくりといった料理の時間も惜しくなり、耳を使った「ながら学習」を導入しました。
スマホのボイスメモ機能を使って、自分の声を録音し、オリジナルの音声教材を作成。勉強しながら息子の声や周りの音が聞こえるように、イヤホンは片耳のみにつけるのがポイントです。
丸暗記というまではいきませんが、なんとなく内容が頭に残るようになり、問題を解く際のヒントになりました。
4 トイレで「1日15分」確保
トイレは、一人になれる貴重な場所。ほんの数分ですが有効活用できるよう、スマホに保育士資格向けの学習アプリをダウンロードしたり、トイレにノートを置いておいたりして、勉強時間に充てていました。
人は1日で5~7回ほどトイレに行くそうです。1回3分、1日5回行けば合計15分の勉強時間の確保ができます。
息子がハイハイできるようになってからは、トイレにすらひとりで行けない日もありました。ドアをバンバン叩かれたり、泣かれたり……。そんなときは、諦めるしかありませんでしたが(笑)。

もう一つの悩みだった「記憶力の低下」ですが、勉強をコツコツ続けたことで少しずつクリアに。スキマ時間の小さな積み重ねは知識の蓄積だけでなく、自信にもつながっていった気がします。
いざ試験本番
わずかなスキマ時間を駆使しながら勉強した約6ヵ月間。1日5分しか勉強できない日もありましたが、合計150時間以上の勉強時間は確保できたと思います。
いよいよ試験日。前述したとおり、保育士は2段階構成です。私の場合、筆記試験が4月、実技試験が7月でした。
筆記試験は2日間の実施。集中力と体力が勝負となるため、前日は早めに就寝しました。
試験当日、会場までは夫が車で送ってくれました。週末を自分のために使うことにどこか申し訳なさを感じつつ、息子が泣くことなく笑顔で送り出してくれたことにホッとしたのを覚えています。
会場に集まった受験者の年齢層は幅広く、男性の姿も多く見られました。保育士=女性のイメージが強いなかで、性別や年齢を問わず挑戦している人がこんなにもいるのかと驚きました。「みんな同志なんだ」と思うと心強かったです(笑)。
試験会場独特の緊張感にドキドキしましたが、ひさしぶりに感じる「試験」という空気に、どこかワクワクする気持ちもありました。思わず手が止まるような難しい問題もありましたが、試験後は「やりきった!」という達成感でいっぱい。
試験結果は約1ヵ月後。
届いた通知書を確認すると……無事に合格! 思わずガッツポーズをしました。
喜びも束の間、1ヵ月後に実技試験が待ち構えています。ただ、実技試験は2科目のみ。合格率が高いこともあり、気持ちの余裕がありました。
私が選んだ実技試験は『造形表現』と『言語表現』です。『造形表現』は、試験当日に与えられたテーマに沿って、45分間で絵を描く試験。『言語表現』は、事前に与えられた課題からひとつ選んだうえで、試験当日は3分間お話をする試験です(私は『おむすびころりん』を選びました)。
絵を描く練習も、お話をする練習も、子どもと一緒に遊び感覚で取り組めたので、筆記試験対策のような苦労はありませんでした!
そして、実技試験当日。筆記試験とは異なる緊張感はありましたが、「ここまできたんだから大丈夫」と、自分に言い聞かせて、試験を終えることができました。
無事に実技試験も合格でき、ついに保育士資格を取得!
実母に報告すると「えー! 一発で取れたのはすごいね! おめでとう!」と驚きながら喜んでくれました。その反応がすごくうれしくて、ちょっと誇らしい気持ちになりました。
長かったようで、振り返るとあっという間の学び直しの時間でした。

学び直しで得たのは資格と知識と自信!
資格を取得できたことはもちろん嬉しかったのですが、それ以上に「自分のため」に何かできたことを嬉しく感じました。
また勉強を通して、子どもの発達、栄養、健康など、子育てにも役立つ知識が得られたのも収穫です。
たとえば、「子どもの食と栄養」の科目で学んだ離乳食の開始時期や進め方は、食材の選び方などは、実際の子育てでも役に立ちました。「これでいいのかな?」と不安に思っていたことも、きちんと理解できたことで「これでいいんだ!」と安心して進められるようになりました。
まさに子育てをはじめたばかりの私は、「息子はこうやって成長していくのか」と、息子の姿と学びを結びつけることができたため、ただの暗記にならずにすんだのもよかったなと感じています。
子育て中のママは家事に育児に忙しく、何かはじめたくてもその一歩を踏み出すこと自体が大きな壁に感じるかもしれません。ですが、1日数時間もの勉強時間を確保することはできなくても、スキマ時間をコツコツ積み重ねれば「ちりつも」で、何十時間もの勉強時間を確保できます! ぜひ、自分のための学び直しチャレンジしてみてください。
※記事内写真はすべて撮影:垣内千夏

コクリコサポートエディターズ(CSE)は、コクリコの第2編集部。コクリコと、ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」が協力して、子どもとの毎日が楽しくなる記事を発信していきます。
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垣内 千夏
2歳差の兄妹(2016年、2018年生まれ)を育てる母。夫の転勤に同行して全国を転々としている転勤族。2人目の出産を機に、フリーランスライターとして活動開始。ライフスタイルやビジネスなど、さまざまなジャンルの記事制作を担当。 AnyMaMa:https://anymama.jp/ Twitter:https://twitter.com/AnyMaMaJP
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