日本は「子連れに優しくない」? ママの「リアルな要望」が調査でわかった!

「日本社会は子連れに優しい?」そう思う、と回答したママの割合は少数

コクリコラボ

写真:アフロ
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コクリコラボではこれまで3回にわたり、「公共の施設や公共交通機関で子どもが騒ぐモヤモヤ」をテーマに、ママから集まったエピソードや、図書館の利用実態についての調査結果をご報告してきました。

今回は「子連れに優しい社会」についてママにアンケートを実施。今の日本社会を「子連れに優しい」と感じているママの割合や、理想とする公共の施設・公共交通期間、身近に存在する子連れに優しい施設についての回答を大公開します。

コクリコラボアンケート
「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に2023年8月7日~2023年8月21日インターネット上で実施。有効回答数は83件。
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
※図書館や美術館、役所のほか、スーパーやレストランなどを含む「子どもを静かにさせなければならない環境」(「静かに過ごすべき環境」「静かにしたほうが良い空間」)全般を「公共の施設」としています。

コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。

日本社会は子連れに優しい? 「そう思う」の割合は…

コクリコラボアンケート

アンケートの設問「今の日本の社会は子連れにやさしいと感じますか?」に対して、「とてもそう思う/ややそう思う」と回答したママは全体の16.5%。「とてもそう思う」単体だとわずか1.2%という結果になりました。

一方で「あまり思わない/まったく思わない」を選択したママは47.7%と、半数近くにのぼりました。

ママの希望「こんな公共の施設・公共交通機関があったら嬉しい!」リアルな意見

先ほどのアンケート結果から、「今の日本社会は子連れにやさしくない」と考えているママが多いことがわかりました。

では世のママたちは、実際にどんな公共の施設・公共交通機関を必要としているのでしょうか? 「子連れにとってこれからの世の中に、どんな公共の施設やサービス、ルールなどがあればいいなと思いますか?」と聞いてみました。

・女性専用車両があるように、親子車両的な車両があったらいいなと思います(親子車両は座席がちょっと広め、ベビーカースペースがある、親子3人で座りやすいなど)。また、おしゃべりOKな図書館のように、この時間はおしゃべりOK、という車両があると嬉しいなと思います。

・夏休みなどの繁忙期には電車にも「子連れ専用車両」があったらうれしい! お金を追加で支払ってでも利用したいです。


女性専用車両のように子連れ専用車両があったら嬉しい、という回答が複数集まりました。

この回答には、9歳と3歳のやんちゃ盛りの男児を育てている筆者も共感します。子どもが騒いだり走り回ったりしてもお互いさま、という雰囲気があるだけで、長距離移動に必要なパワーがぐっと減りそうです。

・近くの支援センターなどは3歳のお誕生日を迎えてしまうと利用ができなくなり、幼児が暑い夏休みや雨の日に遊べる場所が無くて困っているので、少し大きい子でも楽しく遊べる児童施設をもっと増やしてほしいです。無料で利用できると、とても助かります。

梅雨、猛暑、真冬など、意外と外で遊べない期間は多いもの。幅広い年齢の子どもたちが気軽に遊べる室内施設が増えてほしい、という回答です。

・予約など不要でいつでも遊べる室内遊び場があるといいなと思います。

・神戸は子どもの遊び場などが充実してきているのですが、公共施設の遊び場はほとんどが要予約です。予約不要で今、このタイミングでふらっと遊びに行ける場が増えてほしいと思っています。


コロナ禍を経て、予約が必要な施設が増えた気がします。「今、この退屈さをなんとかしたい」ときに気軽に利用できる場所がなかなかないという状況……よくわかります。

・何もかもを子ども専用で用意する必要はないと思いますが、しつけている途中の子どもたちを温かく見守ってもらえるような、優しい雰囲気の場所が増えるといいなと思います。ぎすぎすしているのは本当に外出が嫌になるほどこたえます……。

・世代や性別の違いがあっても、お互いを思いやって認め合うことをポスターや俳句にするキャンペーン!


子連れに厳しい視線や雰囲気を感じているママも多いようです。あたたかく、やさしく見守っていただけるだけで嬉しい、お互いを認め合える社会でありたい、という声が多数挙がりました。

・子どもが元気に思い切り遊べる雰囲気。お互いの子を持つ親も、ほかの子どもに対して寛大になってほしい。靴を履いていようが履いていまいがカリカリしない。少し汚れてもいい。など。

子どもを持つ親同士でも、意外とギスギスした雰囲気になること……あったりしますよね。子連れvs.それ以外、という構図で考えるのではなく、それぞれがお互いを認め合う風潮がもっと広がればいいなと思います。

身近にある子連れに優しい公共の施設・交通機関

最後に、実際にママたちの身近に存在する「子連れに優しい公共の施設・交通機関」をご紹介します。気になる施設が見つかったら、近隣エリアに同じような施設がないか調べてみてもいいですね。

カシマサッカースタジアム授乳室「Baby & Kids Room」

・大人が多そうなサッカースタジアムですが、小さい子が休めるスペースが完備されている場所があります。小さい子は90分間の試合をずっと見続けることは不可能だと思いますし、応援の声で怖くて泣いてしまうこともあります。

しかも! その部屋にはサッカーをリアルタイムで観戦できるテレビもついていて、せっかくお金を出したのにサッカーを見られないなんてこともありません。おむつ替えや授乳ができるお世話ゾーンと遊ぶゾーンがあって、小さい子が気分転換に遊ぶこともできます。


飽きた子どものためのプレイスペースがあるだけでも嬉しいものですが、さらにサッカーをリアルタイムで観戦できるテレビもついているのだそう! 「自分だけ子どもの世話で観戦できなかった」というモヤモヤが軽減しそうです。

さいたま市子ども家庭総合センター あいぱれっと

・さいたま市の児童館です。屋内は未就学児専用ですが、外はボランティアの方がついてくださって、何をしてもよい場所になっています(のこぎりやくぎなど普段自宅では使わないものを使わせてくれる/土をどんどんほって水を流す/夏は水遊び、など)。

家ではなかなかさせてあげられないことを経験させてくれる、こんな児童館が身近にあったらとても助かりますね。

それぞれの立場を尊重し、他人にも自分にももっと寛大な心を持ってみては

これまで4記事にわたって、「公共の施設・公共交通機関で子どもが騒ぐ」親のモヤモヤについてさまざまな側面から調査し、ご報告してきました。

個人的な感想になりますが、筆者はママたちのアンケート回答から、「公共の場では子どもを静かにさせなければいけない」という緊張感をとても感じました。

「日本の社会は子連れに優しい」と感じていないママが多いのは、「こんなに緊張感をもって頑張っているのに、社会がそれに応えてくれない」というような気持ちもあるのかもしれません。少なくとも筆者自身はそういう気持ちがあるなぁ……と、今回の調査を通して気がつきました。

もちろん、日本社会にもっと子連れに優しい雰囲気が広まってほしいと思っていますが、私たちママがもっと肩肘はらずにリラックスして過ごしてもいいのかもしれない、そうしたら案外みんな優しくしてくれるのかもしれない……などと思いました。

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コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。 ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。 (Any MaMaについてはこちら:anymama.jp Twitter: @AnyMaMaJP )​

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