「小1の壁」で働き方はどう変わる? 退職や時短勤務を選んだママたちの実態調査

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コクリコラボ

【リアルな声】「小1の壁」で働き方を変えざるを得なかった3つの理由

親が働き方を変更して対応しなければならない「小1の壁」。

今回のアンケートから、大きく分けて3つの要因があるとわかりました。1つめは朝の預け時間が遅くなること、2つめは夕方のお迎え時間が早くなること、3つめは長期休みの負担が増えることです。

それでは、ママたちの苦悩を見ていきましょう。

◆朝の預け時間が遅くなる

・保育園は7:30から預けられていたため、8:00~の勤務が可能だったが、登校班の集合時間が7:55になったため勤務時間が大幅に変更になった。児童クラブも発達障害があると簡単に受け入れてもらえなくなったため、下校時間に合わせて迎えにいくことになったためフルタイム勤務ができなくなった。(30代/小6女の子、小4、小2、年中男の子のママ)

朝の登校班の集合時間は地域ごとに異なりますが、小学校の開門時間は保育園よりも遅いことがほとんどです。そのため、始業時間を変更せざるを得なかったという声が多く聞かれました。

・登校時間や旗当番等で始業時間に間に合わない。学童の開所時間が8時以降なので仕事に間に合わない。(30代/小4、小1女の子のママ)

地域によっては保護者の当番制になっている「旗当番」も大きな負担です。

・学童が長期休みの時期は8:30きっかりオープンだった。旦那は先に出勤し、帰りも遅いので、私が送迎のメイン。朝の出勤がギリギリになることや、子どもが新しい環境に慣れるまでのサポートを仕事をしながらできるかとても不安だった。時短やフレックスなどで長年続けていた仕事だったが、もう限界だと思い、仕事を辞めた。(30代/小1女の子、4歳男の子のママ)

・保育園時代とは全く違った。両親などのサポートも望めないため正社員を退職した。(40代/中2、小5女の子のママ)

仕事を辞めざるを得ない状況にまで追い込まれてしまったママもいます。朝のたった30分の違いが、キャリア継続の大きな壁として立ちはだかる現実があります。

◆夕方のお迎え時間が早くなる

学童のお迎え時間が早いせいで「残業できなくなった」という声もありました。

・保育園のように夜まで預かってもらえないので、残業できないなど就業の制限ができました。(40代/中3女の子のママ)

・仕事の曜日を減らし曜日変更したり、祖父の迎えの日を作ってもらったりして対応した。(40代/高1、中1、小4男の子のママ)

・長期休暇中の学童の始まる時間が遅く、通常の始業時間に間に合わなかったので、フレックスで出勤時間をずらし、足りない時間は有休(半休)を使って調整した。(40代/小3、年長女の子のママ)


多くのママが休暇を調整したり、ほかの人の手を借りたりしてなんとか日々を乗り切っている実態が見えてきました。

◆夏休みなど長期休みの負担が増える

・平日の放課後については学童保育があるのでいいのですが、長期休みについては学童が開くのが8:30からで、仕事に行くのに7:30に家を出ないといけないため、お友達のお家に頼んだり、ペットモニターを置いて、家を出る時間にモニターから声をかけるようにしました。(40代/小3、4歳、0歳男の子のママ)

・春休みや夏休み等はお弁当がいる。学童に行っていない友達が多く、学童に行きたがらない。(30代/小4、小1女の子のママ)

長期休みの預け先や、お弁当などの負担に悩む声も多く寄せられました。さらに「子どもが学童に行きたがらない(行き渋り)」という精神的な悩みも切実です。

・学童が合わずやめた。2年ほど休みを駆使していたものの、長期休みに対応できるよう転職した。(40代/中3女の子、小6男の子のママ)

学童をやめたあと、休みを駆使したり転職したりママの働き方を工夫してなんとか対応している様子がうかがえます。

・入学したころは数日だけ、学校通学を嫌がり、時間休を取り一緒に登校した。(50代/今は2人とも成人しているママ)

・新しい環境に慣れず、1年間下校に付き添いが必要になった。(30代/高1男の子のママ)

小学校生活は必ずしも順調に行くとは限りません。ママが仕事を調整して子どもに寄り添ったという経験が寄せられました。

・宿題を見てあげる時間がない。我が家の場合は子どもに無理をさせることが多いと感じたので、仕事を退職し現在は在宅ワークをして学童に預けなくても子どもを見られるようにしています。(30代/小4、小1女の子のママ)

初めての宿題に追われる子どものサポートも大変です。こちらのママは仕事を辞め在宅ワークという道を選んでいます。コクリコラボの調査でも子どもの学習の自立について過半数が大変だと感じているという結果が出ています。

・子どもの帰宅時間が早くなり、毎日宿題や持ち物、連絡帳のチェックが必要になりました。また習い事を始めたので送り迎えも負担に感じています。ワンオペなのでフルリモートかつフレックスの仕事に転職したのでなんとかなっていますが、サポートがほしいです。金銭的に余裕があれば送り迎え等を外注したいです。(30代/小2女の子、5歳男の子のママ)

小学校に入った途端にやることが増え、てんやわんや……。送迎だけでも誰かが代わってくれたなら、親の負担はかなり軽減されるはずです。

「働き方を変えなくて済む」ために! ママたちが本当に望む対策とは

コクリコラボアンケート
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自治体からどんな支援があればいいか(すでに実施されている場合は「いいな」と実感しているものも)を聞いてみた結果が上のグラフです。

もっとも多かったのは「学童以外の多様な居場所の確保」、次いで「学童から民間ならいごとへの送迎」でした。ほかにも「ファミリーサポートの充実」「学童から塾への送迎」も上位に選ばれています。学童以外の居場所や、学童のサービス充実などが求められていることがわかりました。

最近では、小学校の開門時間を早めるなど対策に乗り出している自治体も増えています。

例えば、大阪府豊中市では開門時間を1時間早めた午前7時に設定。見守り員を配置し、子どもたちは読書やタブレット学習をして自由に過ごせます。

また品川区では一部小学校で午前7時半に開門し、パンやおにぎりなど朝食の無償提供の試験導入を始めています。

また、放課後の居場所についても、地域ぐるみで取り組みが進んでいるケースがあるようです。

・私の住む自治体では、放課後にボランティアの方が小学校内で開催している「まなび教室」というものがあります。年間数百円の保険料のみで誰でも利用でき、子どもたちの大切な居場所になっています。(中略)娘のお友達がいつも寄り道をしたり遅くまで公園にいたりします。話を聞いたら「おうちに誰もいないから帰りたくない」という旨でした。こういう家庭の子のためにも学童保育以外に自主的に参加できる居場所があれば、と思います。(30代/小2女の子、4歳男の子のママ)

子どもにとって多様な居場所が確保されはじめているのは嬉しいことです。ママが安心して仕事ができる世の中になってほしいですね。

写真:アフロ

小1の壁は「社会の課題」 ママが働きやすい未来のために

小1の壁を感じたママのうち、約7割が働き方を変えたというアンケート結果には驚きました。ママからはこのような声もあがっています。

・子どもに負担をかけることばかりを考えず(朝から晩まで預けるなど)大人の働き方が変わればいいと思う。(40代/小4女の子2人のママ)

・働き方の課題が大きいと思うので、自治体レベルではなく国レベルで企業に対する施策が必要。(40代/小2女の子、5歳男の子のママ)


もちろん国や自治体が主導して、子どもの朝や放課後の居場所を作り、それによってママたちが働きやすくなることも重要です。

しかし今回のアンケートを通じて痛感したのは、「朝一緒にいるためには正社員から契約社員にならなければならない」「子どもが行き渋ったら付き添うためは仕事を辞めるしかない」

そうした「〜しかない」という選択肢の狭さです。

社会全体が変わり、多様な働き方が当たり前になること。それが「小1の壁」を本当の意味で乗り越える鍵になるのではないでしょうか。 皆さんは、どう考えますか?

※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)

コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。

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