PTAを魔界から大人の原っぱへ!PTA会長1000日間で政治学者が見たもの
政治学者・岡田憲治さん「PTAの手引き」リアルエピソード編#6〜人が集う楽しいPTAとは〜
2022.06.17
政治学者:岡田 憲治
生活の延長にある「大人の原っぱ」であるか
岡田さんが駆け抜けてきた1000日、PTAに集う人たちの顔は変わっていきました。
「僕が息子の入学式のときに見たPTA役員の面々は、みんなスーツを着て、お堅くビシッと並んでいました。今は、楽しくて好きでやっている明るい人の集まり。役員も立候補で1日のうちに決まるんですよ。
昔は原っぱで遊んでいると自然と仲間が集まってきたでしょ。『私も入れてよ!』、『お〜、おいでおいで』って、そんな感じがいいですよね」(岡田さん)
岡田さんが目指したPTAは、まさにそんな大人の原っぱ的存在。自然と集い、いる者たちで独自のルールを作り、損得なく助け合って、一生懸命に遊び語らい、ほっと息をつける、そんな場所です。つまり、学校とかかわるのに「学校的じゃないところ」。
「あなた今までどこに隠れていたのっていう、面白くてグレートな仲間が次々と増えていくんですよ。それを見ていると『自分もやってみたいな』って思うでしょ?」(岡田さん)
岡田さんが1000日間、弦巻小学校の仲間たちと共に耕した畑には、今年も元気な芽が芽吹きそうです。
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全6回にわたってお送りしたPTAの連載は今回で終わり。
「理不尽なPTAにはさよならをしてもいい」と、非会員の選択肢を教えてくれたノンフィクションライターの大塚玲子さん。「逃げてもよし。上手に立ち回ってほしい」と励ましてくれた漫画家の斎藤かよこさん。「たったの6年、貴重な時間を楽しんで!」と背中を押してくれた落語家の三遊亭あら馬さん。そして、「うまくいかなくて大丈夫。楽しく自由にやりましょう!」と笑う、政治学者の岡田憲治さん。
みなさんがPTAの存在に悩んだり迷ったりしたとき、どこかの言葉がヒントになればうれしく思います。
取材・文/遠藤るりこ
※PTA連載は全6回です。
#1 理不尽PTA”を見極める方法 入会届とポイント制が2大要チェック
#2 非会員差別に免除儀式… 危険PTAを判定する7つのチェックリスト
#3 令和の理想PTAは「便利ツールを駆使しつつ やりたいことをやる!」
#4 PTAやめちまえ! ママ漫画家が見た恐ろしい世界
#5 PTA革命を起こしたママ落語家の“PTA経験を宝”に変える方法
遠藤 るりこ
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
岡田 憲治
1962年東京生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程終了。専修大学法学部教授。専攻は政治学。とりわけ民主主義の社会的諸条件に注目し、現代日本の言語・教育・スポーツなどをめぐる状況に関心を持つ。広島カープをこよなく愛する二児の父。 新刊『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版刊)のほか、『なぜリベラルは負け続けるのか』(集英社インターナショナル)、『ええ、政治ですが、それが何か?』(明石書店)、『言葉がたりないとサルになる』(亜紀書房)など。 ツイッター @ganaha22 フェイスブック 岡田 憲治 写真:加藤 孝
1962年東京生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程終了。専修大学法学部教授。専攻は政治学。とりわけ民主主義の社会的諸条件に注目し、現代日本の言語・教育・スポーツなどをめぐる状況に関心を持つ。広島カープをこよなく愛する二児の父。 新刊『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版刊)のほか、『なぜリベラルは負け続けるのか』(集英社インターナショナル)、『ええ、政治ですが、それが何か?』(明石書店)、『言葉がたりないとサルになる』(亜紀書房)など。 ツイッター @ganaha22 フェイスブック 岡田 憲治 写真:加藤 孝