PTAやめちまえ! ママ漫画家が見た世にも恐ろしい世界
漫画家・斎藤かよこさん「PTAの手引き」リアルエピソード編#4〜パワハラ&嫌がらせ多々のPTAで上手く立ち回る方法〜
2022.06.15
漫画家:斎藤 かよこ
やっててよかった! PTA
作中の塔子さんのように、数々の役員を経験された斎藤さん。実際にPTAに足を踏み入れたからこそ分かった、よかったこともあると言います。
「引っ越したての時に役員をやったので、地域を覚えることができました。また、日々のPTA活動でママ友が増えたのもよかったことのひとつです」(斎藤さん)
あとは、「子どもの学校生活をちょっとだけのぞき見できる」のも、やっていてよかったなと思う点。
「会長になると、修学旅行の日程をカレンダーのどこに入れられるか、そういう意外なところに決定権があります。これはなかなかできない体験でした。とは言え、もう絶対にやりたくないですけど(笑)」(斎藤さん)
悪口は言わず目立たず 空気になること
物語のラストは、塔子さんが会長に抜擢され、「楽しんで活動することができない現状を改善していこう!」と光明が差したところで終わります。
実際に会長まで経験された斎藤さんが「これからのPTA、もっとこうなったほうがいい!」と考える点はあるのでしょうか。
「できる限りオンライン化を進めるべきだと思います。仕事をしていても総会に参加できるし、赤ちゃんがいるご家庭でも参加のハードルが低くなりますよね。PTAがもっと、いろいろな人の話し合いの場になればいいなぁと思います」(斎藤さん)
PTA活動での心得はただひとつ、と斎藤さん。
「私自身も、他の保護者に対して『ズルい』と思ってしまうことがありました。でも、一番大事なのは、誰かの悪口は絶対に言わないこと。私は人の悪口を言わずに過ごしてきたので、トラブルには巻き込まれませんでした」(斎藤さん)
では、全国のPTAにビビる保護者たちへのメッセージは?
「役員などをやるつもりでないのなら、なるべく目立たないように、それでいて過剰に忙しそうなアピールもせず、空気になると良いと思います(笑)。目立つと役員に推薦されますよ。気を付けてくださいね!」(斎藤さん)
問題解決の仕方だけでなく、子を持つ親の気持ちも繊細に描かれている「やめP」は、PTAという組織を避けて通れない保護者たち必読の一冊です!
次回は、ママ落語家・三遊亭あら馬さんにインタビュー。PTA組織のスリム化にペーパーレス化、会費の減額まで、驚異のPTA大改革を遂げたお話をうかがいます。
取材・文/遠藤るりこ
※PTA連載は全6回。第5回は22年6月16日、6回6月17日公開予定です(公開日時までリンク無効)。
#5 PTA革命を起こしたママ落語家の“PTA経験を宝”に変える方法
#6 PTAを魔界から大人の原っぱへ!PTA会長1000日間で政治学者が見たもの
#1 理不尽PTA”を見極める方法 入会届とポイント制が2大要チェック
#2 非会員差別に免除儀式… 危険PTAを判定する7つのチェックリスト
#3 令和の理想PTAは「便利ツールを駆使しつつ やりたいことをやる!」
遠藤 るりこ
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
斎藤 かよこ
漫画家。第84回BE・LOVEマンガ大賞「スーパーキャラクターコミック」部門 部門賞受賞。主な作品に『暴力亭主から逃れる10の方法』『やめちまえ!PTAって言ってたら会長になった件」(以上、講談社刊)がある
漫画家。第84回BE・LOVEマンガ大賞「スーパーキャラクターコミック」部門 部門賞受賞。主な作品に『暴力亭主から逃れる10の方法』『やめちまえ!PTAって言ってたら会長になった件」(以上、講談社刊)がある