令和の理想PTAは「便利ツールを駆使しつつ やりたいことをやる!」
ノンフィクションライター・大塚玲子さん「PTAの手引き」#3 ~令和時代の理想PTA~
2022.06.14
ノンフィクションライター・編集者:大塚 玲子
3割の加入率でも大丈夫 理想のPTAとは
強制をやめ、やれる人がやるという任意の仕組みをとると、どうしても活動希望者が出てこないかも? という心配があります。しかし、「新体制をとることで参加者が2倍になったPTAもある」と大塚さん。
「よほどの小規模校でなければ、全保護者がくまなく活動をする必要はないんです。加入率が3割程度でも良いと私は思いますよ。
その一部の人たちが『みんなの声をひろうんだ、ここはみんなのための場なんだ』という意識を持っていれば大丈夫です」(大塚さん)
それでは、パパママはどんな意識をもってPTAに関わっていけばよいのでしょうか。
「やはり、PTA活動を担っているのは母親が多いですよね。みなさん“良い母親であろう”という意識が強いから、『ちゃんとやらないと』とか『しなきゃいけないんだ』という考えにとらわれてしまうことが多いと感じます。
よく夫から『そんなに嫌ならやらなきゃいいじゃん』と言われたというお母さんの話を聞きますが、それってある意味正しいと思うんです。理不尽のなかで泣きながらPTAをやっている状況って、絶対におかしいですから」(大塚さん)
私たちは、PTAに入るのもやめるのも自由で、自らそれを決めることができます。
「自分が本当にどうしたいかわかっていて、やりたくてやっている人なら『他の人がやらなくてずるい!』って感じないと思うんですね。
PTAにどこまで関わるのか『自分で選んで決めた』、という実感を持って取り組むことが、大事なのではないでしょうか」(大塚さん)
理不尽なPTAに泣きながら活動する保護者が一人でも減ることを、大塚さんは願い続けます。
次回からは、PTA会長をご経験されたことのある識者3名に、実際のPTA現場の話と変革のエピソードをインタビューします。
大塚 玲子(おおつか・れいこ)
ノンフィクションライター・編集者。編集プロダクションや出版社勤務を経てフリーになり、書籍やムックの企画編集、執筆等に携わる。「いろんな形の家族」と「PTA(学校と保護者の問題)」をテーマにした著書多数。
取材・文/遠藤るりこ
※PTA連載は全6回。第4回は22年6月15日、5回6月16日、6回6月17日公開予定です(公開日時までリンク無効)。
#4 PTAやめちまえ! ママ漫画家が見た恐ろしい世界
#5 PTA革命を起こしたママ落語家の“PTA経験を宝”に変える方法
#6 PTAを魔界から大人の原っぱへ!PTA会長1000日間で政治学者が見たもの
#1 理不尽PTA”を見極める方法 入会届とポイント制が2大要チェック
#2 非会員差別に免除儀式… 危険PTAを判定する7つのチェックリスト
遠藤 るりこ
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
大塚 玲子
1971年生まれ、千葉県出身。東京女子大学文理学部社会学科卒業。主なテーマは「いろんな形の家族」と「PTA(学校と保護者の問題)」。編集プロダクションや出版社勤務を経てフリーに。書籍やムックの企画編集、執筆等に携わる。 著書に『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版刊)、『オトナ婚です、わたしたち』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『PTAがやっぱりコワい人のための本』(以上、太郎次郎社エディタス刊)、『ルポ 定形外家族 わたしの家は「ふつう」じゃない』(ソフトバンク新書刊)。 共著に『子どもの人権をまもるために』(晶文社刊)、『ブラック校則 理不尽な苦しみの現実』(東洋館出版社刊)がある
1971年生まれ、千葉県出身。東京女子大学文理学部社会学科卒業。主なテーマは「いろんな形の家族」と「PTA(学校と保護者の問題)」。編集プロダクションや出版社勤務を経てフリーに。書籍やムックの企画編集、執筆等に携わる。 著書に『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版刊)、『オトナ婚です、わたしたち』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『PTAがやっぱりコワい人のための本』(以上、太郎次郎社エディタス刊)、『ルポ 定形外家族 わたしの家は「ふつう」じゃない』(ソフトバンク新書刊)。 共著に『子どもの人権をまもるために』(晶文社刊)、『ブラック校則 理不尽な苦しみの現実』(東洋館出版社刊)がある