「子どもにとって大切なのは、お手伝いより、勉強より、まずは “片づけ”と“身支度”です」と言い切る整理収納アドバイザーのカール友波さん。
片づけと身支度が勉強より大事というその真意をお聞きすると、「お片づけ、身支度を通して、子どもに自立をしてほしいということです。片づけ、身支度ができれば、勉強やお手伝いも自然とできるようになるからです。片づけや身支度は、自分自身のこと。子どもであっても自分でできないと困りますよね。生活の基本中の基本です。だから、勉強より、お手伝いよりもっと大切だということなんです」
カールさんは、『子どもがどんどん整理整頓したくなる!お片づけ帖』の著者で、お片づけプレゼンターの肩書きで、企業や学校の講座、セミナーなどでも活躍中です。
片づけや身支度が子どもの自立を促すという方法をさらに詳しくお聞きしました。全7回にわたって紹介していきます。今回はその第3回です。
第1回、第2回はこちら。 ※特に、1年生から低学年の子どもを対象にしています。
A2ファイルで絵を整理する
お盆休みも明け、もう少しで夏休みも終わります。夏休みの思い出もたくさんできたのではないでしょうか。
「この夏旅行に出かけたという人は、子どもがおみやげを買ったり、また、友だちからおみやげをもらったり、また、夏休みが始まる前には、学校から“朝顔の鉢”や“絵や作品”を持ち帰っているので、少しずつ“子どものモノの総量”が増えているのではないでしょうか」
確かに、しばらくは朝顔や絵を飾っておくのもいいですが、新学期に向けて整理すれば、すっきりスタートできますよね。
「例えば、絵ですが、1学期の分だけでなく、幼稚園、保育園時代に描いた絵も結構たまっているというご家庭、多いと思います。整理術として、“撮影して、写真に残す”という方法が紹介されることが多いのですが、やはり、現物を残しておきたいという方もいらっしゃいますよね。そこで、私は、絵の整理には“A2サイズのファイル”をおすすめしています」
「撮影して写真で残す」というのは、もちろん、省スペース化できますが、「この絵は捨てられない!」というものがありますよね。
カールさんは、全部は残す必要はないけれど、どうしても残しておきたい絵は捨てずに、A2ファイルにファイリングするといいと言います。
「新聞がファイリングできる大きなサイズのファイルですが、これなら学校で描いてきた絵を入れることができます。サイズは大きいですが薄いので、クローゼットや押入れの隅に、すっと収まります」
ファイリングしておけば、絵の端が破けたり、シワが入ったりせず、いい状態で残せますね。
賞状が入るサイズはA3サイズ
絵以外に、意外に収納場所をとるのが、賞状、証書ではないでしょうか?
最近は、卒業証書などは立派な証書ファイルに貼られていることが多いかと思いますが、かさばって、収納しづらいのが証書用の筒です。
「筒で保存された賞状、証書、結構な数、あると思います。幼稚園、保育園から始まって、小学校はもちろん、中学、高校と続きます。それらを保存する筒がかさばって、結構なスペースをとります。特に丸い筒。何本もあると収拾がつきません。また、マラソン大会や書道大会などの賞状、資格試験の証書などをもらうこともあるでしょう。そこで、賞状、証書の収納には“A3サイズのファイル”が最適です。絵同様、まとめておけば省スペース化できますよ」
絵用にA2サイズ1冊、賞状、証書用にA3ファイル1冊あれば、ほぼ全学年をカバーできるとカールさんは言います。
「もちろん、たくさん残そうと思えばあふれるかもしれませんが、そこは、お子さんとも相談して、『この絵、とってもよく描けてるから、ママ好きなんだ』『○○ちゃんはとっておきたい絵、ある?』などと話をしながら、残すものを一緒に選んでもいいと思います」
このように、子どもとコミュニケーションをとりながら整理することも、子どもの片づけ力をアップさせる1つの方法ですね。
「最近は、立派な証書ファイルに貼られた卒業証書をもらいますが、ある程度経てばファイル自体が劣化してくるので、思い切ってファイルからはがし、ファイルは処分してA3サイズのファイルにまとめていくのもよいかと思います」
写真の台紙を見直しても
「先日、紙焼き写真を整理したのですが、段ボール3箱分のポケットアルバムがあり、アルバムから写真をとり出すと、スペースが10分の1くらいになりました。私は、業者に依頼して、この紙焼き写真をすべてデータ化してもらいました。また、写真スタジオで撮影した七五三や入学式、卒業式などの記念に撮った写真も結構たまっていて。しかも台紙に貼られているのでかさばり、台紙が劣化しているものもあったので、思い切って台紙からはずし、すべてデータ化しました」
写真スタジオの写真はデータをもらっていると思いますが、その都度もらっているので、一元化されていない、ということもあるのではないでしょうか。
「データ化しておけば、パソコンはもちろん、家のテレビでも見ることができます。『まだこの頃は小さかったね』『こんなこともあったね』などと、家族でワイワイ言いながら写真を見る時間を持つのもいいですよね。私は、気にいった写真を選んで、フォトブックを作ろうと思っています」
夏休みは子どもと一緒にいる時間が比較的とりやすいでしょうから、写真は子どもと会話をするいいツールになるでしょう。
子どもの自立に直接つながるというより、「家族に大切に育ててもらった」という思いを、あらためて抱いてもらういい機会になるかもしれませんね。
カール友波(かーる となみ) プロフィール
お片づけプレゼンター
キャッチフレーズは「か~るく、明るく、お片づけ!!」
深刻にならず、世間の常識・お片づけの常識にしばられず、その人らしい楽しい生き方を楽しめる、肩ひじはらないお片づけをご提案している。
整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士認定講師(子どもの片づけ教育)、時短家事コーディネーター®Basic認定講師、発達支援教育士認定講師(発達障害・グレーゾーンのお子さんの身支度とお金の教育)。
著書は『子どもがどんどん整理整頓したくなる!お片づけ帖』(永岡書店)、『「片づけなさい!」と言わずに家族が勝手に片づけるすごい方法』(PHP研究所)がある。
https://www.karl-3.jp/
写真:カール友波、時政美由紀 構成:時政美由紀
時政 美由紀
1965年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、出版社勤務を経て、2010年、編集・出版企画 ㈱マッチボックスを設立。出版社時代から現在に至るまで企画・編集した書籍・ムックは300冊以上。女性のライフスタイル全般、料理、子育てなどの実用書を中心に活動。2018~2021年、茨城新聞「論壇」にて連載。自著に『50歳から結婚してみませんか?』(朝日新聞出版)。
1965年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、出版社勤務を経て、2010年、編集・出版企画 ㈱マッチボックスを設立。出版社時代から現在に至るまで企画・編集した書籍・ムックは300冊以上。女性のライフスタイル全般、料理、子育てなどの実用書を中心に活動。2018~2021年、茨城新聞「論壇」にて連載。自著に『50歳から結婚してみませんか?』(朝日新聞出版)。
カール 友波
キャッチフレーズは「か~るく、明るく、お片づけ!!」 深刻にならず、世間の常識・お片づけの常識にしばられず、その人らしい楽しい生き方を楽しめる、肩ひじはらないお片づけをご提案している。 整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士認定講師(子どもの片づけ教育)、時短家事コーディネーター®Basic認定講師、発達支援教育士認定講師(発達障害・グレーゾーンのお子さんの身支度とお金の教育)。 著書は『子どもがどんどん整理整頓したくなる!お片づけ帖』(永岡書店)、『「片づけなさい!」と言わずに家族が勝手に片づけるすごい方法』(PHP研究所)がある。 https://www.karl-3.jp/
キャッチフレーズは「か~るく、明るく、お片づけ!!」 深刻にならず、世間の常識・お片づけの常識にしばられず、その人らしい楽しい生き方を楽しめる、肩ひじはらないお片づけをご提案している。 整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士認定講師(子どもの片づけ教育)、時短家事コーディネーター®Basic認定講師、発達支援教育士認定講師(発達障害・グレーゾーンのお子さんの身支度とお金の教育)。 著書は『子どもがどんどん整理整頓したくなる!お片づけ帖』(永岡書店)、『「片づけなさい!」と言わずに家族が勝手に片づけるすごい方法』(PHP研究所)がある。 https://www.karl-3.jp/