子どもと読みたい「お仕事漫画」5選 ゴミ清掃員・産科医・ケースワーカー…「お仕事」を学べるエンタメ漫画!〔マンガミュージアム学芸員が厳選〕

京都国際マンガミュージアム学芸員・倉持佳代子さんに聞く「お仕事漫画」 #3 人とかかわる仕事が学べる漫画5選「ハコヅメ」「健康で文化的な最低限度の生活」「ゴミ清掃員の日常」「コウノドリ」「ナースのチカラ」

京都国際マンガミュージアム学芸員:倉持 佳代子

3.ゴミ清掃員の日常

すべての画像を見る(全17枚)
『ゴミ清掃員の日常』原作・構成:滝沢秀一、まんが:滝沢友紀(講談社)

あらすじ
定収入を得るために、ゴミ収集会社に就職した芸人・滝沢秀一。単純な仕事と思いきや、日々の仕事の苦労は想像を超えるものばかり。現場で出会うさまざまな人々、街の普段見られない姿、収集車での作業など、あまり知られていない仕事の裏側をほのぼのとしたタッチで描く。作画を担当するのは、滝沢の妻である滝沢友紀。漫画を描いたのは本作が初めてという。

倉持さん:お笑い芸人のかたわら、ゴミ清掃員として働く作者の体験をもとにした“エッセイ漫画”の人気作。カイロが凍ってしまうような氷点下の真冬でも、熱中症になりそうな猛暑でも、どんな天気であってもゴミ収集車は必ずやってきて、町のゴミを収集してくれます。

私たちにとって当たり前のことのようになっているゴミ収集の裏に、これほどの苦労があるのかと驚きがありますし、衛生的な暮らしを支えてくれる人がいるから、私たちは安心して健康的に過ごせるのだと改めて気づかされます。

──誰も見ていなくても、誠実にがんばっていれば周りが認めてくれるし、いいこともあると思わせてくれるエピソードにも心温まりますね。

倉持さん:年齢も生活環境も関係なく、チームの一人ひとりが力を合わせてやりとげる姿が清々しい。日常を楽しみ、地道な作業にも発見や学びを得る作者もカッコいいです。誇りを持って仕事をする大切さが伝わってきます。

『ゴミ清掃員の日常』48ページ。
『ゴミ清掃員の日常』49ページより。「お笑い芸人ならではの視点の面白さはもちろん、前向きで、優しいまなざしに心がほっこりします」(倉持さん)。
次のページへ ドラマ化もされた母子の命を描く物語
54 件