中学受験の「親ミッション」 中受伴走を終えたママ教育ジャーナリストが小6年後半=本番直前期を明かす

リアル中学受験伴走レポ #3  ~ダメージを回避するために知っておきたい6年生後期編(夏休み~受験本番)~

教育ジャーナリスト:佐野 倫子

大雨でびしょ濡れのハプニングも!

また、本番は準備を超えるハプニングが起こる場合も。T中学校を受験した際には、事前に学校見学をして、さらに前泊、万全の体制を整えたつもりでしたが、当日は警報級の雨予報。

ビニールの靴カバー、替えの靴、レインコート、手袋、電子カイロ、とくに大きな傘、靴下の替え、予備の着替え……。必死で追加装備を整えて迎えた当日。1時間以上余裕を見て、最寄り駅からバスに乗ったものの、道路が大渋滞。おそらく雨で、入試や通勤通学のため駅まで車で送迎する方が多かったのでしょう。

10分ほどのバス乗車時間が、駅から延びるメイン道路の渋滞で40分に。試験開始15分前、学校の軒先でずぶぬれになったものすべてを回収し、息子をどうにか校舎前で送りだしたとき、私は登山家のような大荷物と冷や汗と雨で全身びしょびしょでした。あらゆる天候、状況を想定しておくべきだと痛感した出来事です。

なお、文化祭や模試などで校舎内に入る機会があった受験校については、本番でも、当日のルートだけでなく、教室の様子や机の広さ、トイレの位置までがイメージできていたので、多少は緊張がほぐれたようです。4~5年生のころに足を運んでおいてよかったと思いました。

本番スケジュールは家族で共有を!

そしてもっとも親が頑張るところ。それは本番のスケジューリングです。一覧表をつくり、家族全員で共有するのがおすすめです。本番に突入すると、絶え間なく「決断」を迫られるかもしれません。すんなり合格をすればいいけれど、中学受験で第一志望に合格するのは3割程度と言われています。

そんな過酷な闘いでは、プランA、プランB・Cを用意し、前半の結果次第で後半の出願校を決めることもあるでしょう。そんなギリギリの状況だと、うっかりその日の出願締め切り時刻を過ぎてしまうということも。これは充分にあり得る話として覚えておいてください。

また、合格しても、入学手続きと入金を忘れてしまえばおしまいです。どちらか一人に任せず、両親でダブルチェックをするようにしましょう。

このように、人生でも指折りの緊張感がある本番数日。子どもはもちろん、親の体調管理も大切です。ここまでくると、不思議に腹もすわり、必死で毎日を乗り越えるモードに。親は全身全霊で子どもを応援する日々です。

今までの取材のなかで、「2月1日からの数日で、数キロ痩せました……」というお話を聞くことがありました。私はまったく痩せなかったけれど(苦笑)、生きていて一番パワーと神経を使った数日であったことを記しておきます。

全3回を通して、4年生から6年生の3年間の私の伴走についてお伝えしました。これから中学受験の伴走をするママパパたちが、少しでも受験生生活をイメージすることができたら幸いです。

どのご家庭にとっても、充実した中学受験になることを心から祈っています。

取材・文/佐野倫子

令和の中学伴走は全3回。
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30 件
さの みちこ

佐野 倫子

Michiko Sano
教育ジャーナリスト

東京生まれ、早稲田大学卒。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57

東京生まれ、早稲田大学卒。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57