「一石二鳥」は英語でなんていう? 英語でも似た表現になることわざ【学校でも塾でも習わない ワザあり英語】

「英語でなんて言うの?」 知ってて差がつく“通訳者ママ”の「最新」英語表現 【連載】第16回

通訳者・翻訳家:神本 亜紀

Time is money.

ことわざの中には、〈Time is money.〉のように日本語と英語の表現が似ているものがあります。では、次のことわざは英語でどのように表現するかわかるでしょうか。

①「一石二鳥」
②「ローマは一日にして成らず」
③「ペンは剣よりも強し」

答えは……、
①〈Kill two birds with one stone.〉
②〈Rome wasn’t built in a day.〉
③〈The pen is mightier than the sword.〉


これらは意味も同様なので、難しく考えることなくネイティブとの会話に使うことができるでしょう。

ただし、「転石苔むさず」ということわざは要注意。英語では、〈A rolling stone gathers no moss.(転がる石には苔が生えない)〉と日本語と変わらない表現をしますが、国によってことわざの解釈が違います。

日本とイギリス→「転がる石に苔が生えないように、軽々しく行動を変える人は成功できない」といったネガティブな解釈。

アメリカ→「転がる石に苔が生えないように、常に活発に動いている人は慣習にとらわれず柔軟だ」といったポジティブな解釈。

イギリスでも近頃は、個人の考えによってポジティブな解釈で使う人もいますが、一般的なイメージを覚えておくといいでしょう。

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「いただきます」「よろしくお願いします」 英語にならない日本語

英語と日本語で同じ表現をする言葉がある一方、英語にならない、あるいは英語にするのが難しい日本語があります。

「いただきます」「よろしくお願いします」「お疲れ様」「しょうがない」などがその言葉です。

また、働き方改革のキーワードとして、ビジネスの場でよく出てくる「生きがい」「働きがい」といった言葉も英語に置き換えるのが難しいワード。比較的新しい言葉では「ツンデレ」も適切な英訳語がなく、説明が長くなってしまうので通訳者や翻訳者泣かせの言葉です。

「侘び寂び」「空気を読む」なども含め、日本独特の文化や美意識、感性はふさわしい英語がなく伝えるのが難しい分、ネイティブの興味関心を誘う言葉でもあります。

かつては“英語音痴”……第2子出産後の30歳から英語を学び直し、今は通訳者・翻訳家として活躍する神本亜紀(かんもと あき)さんの「英語勉強法」を解説した記事は⬇︎下のバナーからどうぞ!

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かんもと あき

神本 亜紀

通訳者・翻訳家

大学で心理学を専攻しカウンセラーを志すも、学生時代に夫と出会い、卒業後に結婚・出産。英語は大嫌いだったものの、子育て中に出会った英語教育に熱心なママ友や、勤め先からの勧め、我が子の英語教育を前にして親もある程度の英語力がないとダメだと自覚したことで、2人目の子どもを出産後、30歳から英語を真剣に学び直しし始める。 現在は社内通翻訳として勤務するかたわら、フリーランス通訳として各種国際イベントなどで活躍。英検1級までは約5年、TOEIC990点(満点)は約13年かけて到達。英語はいまでも毎日、アップデート中。 ・note(ブログ) https://note.com/englishpuppy/

大学で心理学を専攻しカウンセラーを志すも、学生時代に夫と出会い、卒業後に結婚・出産。英語は大嫌いだったものの、子育て中に出会った英語教育に熱心なママ友や、勤め先からの勧め、我が子の英語教育を前にして親もある程度の英語力がないとダメだと自覚したことで、2人目の子どもを出産後、30歳から英語を真剣に学び直しし始める。 現在は社内通翻訳として勤務するかたわら、フリーランス通訳として各種国際イベントなどで活躍。英検1級までは約5年、TOEIC990点(満点)は約13年かけて到達。英語はいまでも毎日、アップデート中。 ・note(ブログ) https://note.com/englishpuppy/