2021.12.17

プレゼントで喜ばれるクリスマス絵本4選! 眺めても飾ってもうっとり♡

クリスマスに読みたい絵本#2プレゼント編 絵本専門士・井上まどか

絵本専門士:井上 まどか

クリスマスをテーマにした絵本は本当にたくさんあるだけに迷います。そこで絵本のプロである絵本専門士におすすめを聞きました。
写真:アフロ

クリスマスまで、あとわずか。街にはクリスマスソングが流れ、イルミネーションがキラキラ。この季節になると、大人も胸が高鳴りますよね♪

前回(#1は、この時期の大テーマ「サンタ いるか・いないか問題」の手助けになりそうな絵本を絵本専門士・井上まどかさんに教わりました。

今回は 眺めても飾ってもうっとりする美しいクリスマス絵本をご紹介します。インテリアとして部屋に飾ったり、お子さんと読んだりするのはもちろん、大切な人へのプレゼントにもおすすめですよ。

サンタのイメージの原点となった絵本

もうすぐクリスマスですね! クリスマスをテーマにした絵本は、表紙を見ているだけでもワクワクする作品が多いなと感じます。色使いがカラフルで、クリスマスツリーのようなキラキラ感があって、クリスマスならではの楽しい雰囲気が伝わってくるようです。

今回は、眺めても飾っても思わずうっとり♡してしまう、クリスマス絵本をラインナップしました。お子さんだけじゃなく、大人にもおすすめの絵本ばかりですので、手に取って読んでみてくださいね。

はじめにご紹介するのは、『クリスマスのまえのよる』(作:クレメント・C・ムーア、絵:ロジャー・デュボアザン、訳:こみやゆう)。1823年、アメリカの神学者、クレメント・C・ムーアが、病気がちだった自分の娘を笑顔にしようと書いた<詩>が、絵本化されたのもです。

『クリスマスのまえのよる』(作:クレメント・C・ムーア、絵:ロジャー・デュボアザン、訳:こみやゆう/主婦の友社)。クレメント・C・ムーアによる詩は、ほかにも、いろいろな作家によって絵本化されている。

子どもたちが寝静まったクリスマスの前の夜、寝る支度をしていたパパが窓の外を見ると、空にサンタクロースが……!

パパが子どもたちにやさしく語り掛けるような口調で、物語は進んでいきます。詩を元に描かれているので言葉の一つひとつが味わい深く、静かな冬の夜、ベッドの中でお子さんとじっくり読むのにぴったりな1冊です。

表紙も中のページも斬新な色使いがとてもきれいで、私が特に好きなのは朱色。見返し(表紙の裏側)は、まるでプレゼントの包装紙のように楽しいデザインで、クリスマスのワクワク感が高まります。この絵本の版型は縦長なのですが、これはクリスマスイブの夜、枕元の靴下に入れられるようにデザインされたのだとか。すてきな発想ですよね!

<赤い服に白いひげ、ちょっぴり太り気味。トナカイのそりに乗ってやってきて、えんとつから家に入ってくる――。>

実は、現在のサンタクロースのイメージは、この詩がルーツだと言われています。子どもたちに<サンタクロースはどんな人なのか>をわかりやすく伝えられる絵本でもあるのです。サンタさんがお腹をつかえながらえんとつから入ってくるシーンは、とってもかわいいですよ。

クリスマスツリー替わりに飾っても!

続いてご紹介するのは、『いろいろクリスマスツリー』(作:おおでゆかこ)です。表紙に描かれたこの大きなクリスマスツリー、心魅かれませんか?

イラストレーターとしても活躍する作者のクリスマス絵本『いろいろクリスマスツリー』(作:おおでゆかこ/アリス館)。

この絵本には、リス、ペンギン、ヤドカリなどの動物たちが思い思いに作った、たくさんのクリスマスツリーが登場します。

例えばリスは、木の実をいっぱい飾ったツリー。ペンギンは、氷山を削ったスライダー型のユニークなツリー。私のお気に入りは、食いしん坊のクマたちが作ったお菓子のツリー。憧れますよねぇ(笑)。森や海、氷の国など、住んでいる場所によってもそれぞれツリーに個性があって、細かいところまでじっくり眺めたくなります。

この絵本も『クリスマスのまえのよる』と同じく縦長の版型で、高さは30㎝ぐらい。クリスマスツリーを置くスペースがない場所に、ツリー替わりに置くのはいかがでしょう?

表紙も華やかですが、好きなページを開いて飾るのもおすすめ。『今日はペンギンさんのページにしようかな』『明日はクマさんにしよう』などとお子さんと相談しながら、クリスマスまでの間、日替わりで楽しんでくださいね。

<子ども部屋の魔法>を信じたぬいぐるみの物語

次は、今までの2冊とはずいぶんテイストの違う『ビロードのうさぎ』(原作:マージェリィ・W・ビアンコ、絵・抄訳:酒井駒子)をご紹介したいと思います。原作は1922年にイギリスで刊行され、世界中で愛されてきた名作です。

ビロードのうさぎのぬいぐるみが“ほんもの”のうさぎになるまでを描いた『ビロードのうさぎ』(原作:マージェリィ・W・ビアンコ、絵・抄訳:酒井駒子/ブロンズ新社)。

クリスマスの日、ぼうやの家にビロードでできたうさぎのぬいぐるみがやってきました。部屋のすみで小さくなっていたうさぎは、あるとき、ウマのおもちゃから「子どもの ほんとうの ともだちになった おもちゃは いつかほんものになれる」と聞くのです。

やがて、ぼうやといつも一緒に過ごすようになったビロードのうさぎは、毎日がとても幸せでした。けれど、ぼうやとの別れは突然やってきて――。

私も昔、クリスマスプレゼントにうさぎのぬいぐるみをもらった経験があるのですが、<あの子はどうしているかな>と、この絵本を読むたびに思い出します。大人でもウルッときてしまうような、切なくも、希望にあふれた物語です。

そんなストーリーにぴったりの酒井駒子さんの絵。眺めているだけで、いつの間にか時間が過ぎてしまうほど、繊細で、儚(はかな)くて、1ページ1ページがまるで絵画のように芸術的です。

お子さんと読むのもいいのですが、お父さん、お母さんには、ぜひひとりでも読んでいただきたいです。何度か大人の方にプレゼントしたことがあるのですが、この絵本を読む時間、しっとりと余韻(よいん)にひたる時間も含めてプレゼントになるなと思います。そういう意味でも、素晴らしい絵本ですね。

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