2021.08.05

松尾依里佳さん「一日中歌って語り育てた娘は2歳でヴァイオリンが宝物」

ヴァイオリニスト・松尾依里佳さん「私の“音育”」#3 ~子育て編~

寄稿家:松尾依里佳

ご自身の幼少期の経験が、現在の子育てにも活かされていると語る松尾依里佳さん。  写真:小林岳夫

ヴァイオリニストだけでなくクイズ番組のパネラーや情報番組のコメンテーターとしても表舞台で活躍される一方で、現在(2021年7月)3歳の娘さんを持つワーキングママである松尾依里佳さん。音楽家に高学歴タレント、妻、母、といろんなの顔を持つ松尾さんは、どのような子育てを実践しているのでしょうか。

子育てと仕事の両立 大切にしているのは「語りかけまくり育児」

出産を機に、子育てに比重を置きながら仕事を再開したという松尾さん。まだお子さんが言葉をしゃべれない乳児のうちから、ことあるごとに一方的に話しかけていたといいます。

「もともと、私自身が母からしてもらっていたように、胎教で音楽を聴かせていました。モーツァルトを聴かせたり、自分の体調に無理のない範囲でヴァイオリンを演奏して聴かせたり。生まれた後も、クラシックのようなノンバーバル(非言語)な曲から親しみやすい童謡まで、さまざまなCDを流しています。

私、気がつくと一日中歌っているんですよ。友人のなかには『言語のまだわからない乳児になにを話しかけていいかわからない』と言う人もいるんですが、私は何も考えずにずっと話しかけていましたね。“語りかける育児”というのをすごく大切にしています。周りから見たら独り言だと思われるかもしれないけど、『いいお天気ね~』『お腹空いたの?』とか、おむつ替えのときには『気持ち悪かったね~』などと、常にしゃべっていました。そのなかで、音楽も聴かせるようにしていたという感じです」

「食事中は気が散るから音楽を流すのはやめたほうがいいと聞いて、食事に集中させながら『おいしいねぇ』と話しかけています」。  写真:小林岳夫

松尾さんは、コロナ禍でお子さんと一緒に過ごす時間が増えたことで自分自身が親として成長できたと語ります。

「2020年から子どもをプレ幼稚園へ通わせる予定でした。それがコロナの影響でいったん入園を取りやめることになり、2021年の春になってあらためて年少として入園したんです。実は、昨年プレ入園を決めたとき、毎日母子分離することにまだ少し迷いもあったのです。もしかすると2歳の間を家で一緒にべったり過ごせたおかげで、今こうして離れていてもモヤモヤせずに済んでいるのかもしれません。

幼稚園って意外と終わるのが早くて、すぐに帰ってくるんですよ。それまでに家事や仕事など自分のことをさせてもらって、メリハリがついている。親子ともども、離れている時間を通して成長しているって感じですね」

また、コロナ禍を通してお子さまの音楽への関心が高まったようだという松尾さん。

「自粛期間は、自宅でヴァイオリンの練習をすることが増えました。私がヴァイオリンを弾いていると、『もっと弾いて!』と娘がせがむんです。音楽に関心を持ってくれているのかな? とうれしくなりましたね。次第に、『抱っこして!』に変わったりもするんですけど(笑)。

そうやって演奏する姿を見せていると、あるとき『私もヴァイオリンを弾きたい』と言いだしたんですよ。まだしっかりとした練習をさせるつもりはなかったので、おもちゃのヴァイオリンを買ってあげたところ、宝物のようにすごく大切にしてくれています。演奏するというよりは、松脂を塗ったりとか、そういう所作をマネするのが楽しいみたいですけど(笑)」

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