2021.11.11

子どもの「正しい鼻のかみ方」 何歳から?どう教える? 耳鼻科医に聞いた

耳鼻科医・笠井創先生「子どもの耳鼻トラブル」#2 鼻のかみ方

「正しい鼻水のかみ方」を知っていますか?
写真:アフロ

子どもが風邪をひいて鼻水が出ていると「ちゃんと鼻を通してあげたい」と思いますよね。赤ちゃんのうちは鼻水吸引器を使えばOKですが、いずれ鼻をかむ方法も親が教えなければいけません。

でも「正しい鼻水のかみ方って?」「何歳から、どうやって教えればいいの?」と困る人も多いはず。そこで、鼻水の基礎知識や、鼻かみのトレーニング方法を、子どもの耳鼻ケアに詳しい耳鼻科医の笠井創先生に教えてもらいました。(全4回の2回目。#1を読む)

そもそも鼻水ってどんなもの?

鼻水には、鼻の粘膜に潤いを与えて保護したり、鼻に侵入した異物(ウイルス、細菌、花粉など)をのどの方に流したりする役割があります。ふだんから分泌されているのですが、健康なときに鼻水が気になること はないはず。鼻の穴からたれてきたり、のどの方に流れる感覚があったりすれば、病気のサインです。

ウイルス感染による風邪の初期、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎などで出てくる鼻水は、透明でサラサラしています。しかし、鼻水に細菌感染が加わったり、副鼻腔からの分泌物が増えてきたりすると、鼻水の粘度が増して黄色や緑色に変化します。

鼻水が出たら病院に行ったほうがいい?

一般的な風邪であれば、自然に治ることがほとんどです。ただし、4歳以下の子どもは、鼻が詰まると数時間で中耳炎になることもあるので、鼻水が出てきたら早めに耳鼻科で診てもらうと安心です。

5歳以降は鼻水が出ていても、熱がなく、就寝中に鼻が詰まって口呼吸になっていることがなければ、様子を見て大丈夫。普通の風邪なら5〜7日くらいで治まるでしょう。鼻水が1週間以上続くようなら受診しましょう。

就寝中に口呼吸になっていないかを確かめてみて。
写真:アフロ

鼻水をすするのは、なぜダメか?

鼻水では雑菌(さまざまな細菌)が増殖します。雑菌が増えた鼻水が大量に溜まったり、鼻水をすすったりして耳の奥に入ると中耳炎を引き起こすことも。とくに子どもは鼻と耳の奥をつなぐ耳管が短いので、中耳炎になりやすいのです。また、鼻水の雑菌が副鼻腔(ふくびくう)で炎症を引き起こし、副鼻腔炎になるリスクもあります。

これらを防ぐために、鼻水はすすらず、鼻をかんで出す習慣づけが大切です。

正しい鼻のかみ方

片方の小鼻を指で押さえて鼻の穴をふさぎ、もう一方の鼻の穴からゆっくりと小刻みに空気を押し出すイメージで、軽く力を込めて鼻息を出します。

左右同時にかんだり、一気に強くかんだりはNG。強く鼻をかむと耳に強い圧力がかかり、中耳炎を引き起こす可能性があります。

正しく鼻をかめるようになるトレーニング方法

最後に、子どもが鼻をかめるようになるためのトレーニング方法を紹介します。

個人差はありますが、この方法は言葉の理解が進み、動作をまねできるようになる1歳半〜2歳くらいから始められます。子どもには「鼻息を出す」ということが理解しづらいので、その様子を目で見えるようにすることがポイントです。

<トレーニング方法>
①親は細く切ったティッシュを鼻の前に垂らし、両方の鼻息で「フン」と動かすところを子どもに見せる。

②子どもに同じことをやってもらう。

③親は再びティッシュを鼻の前に垂らし、口を閉じて片方の鼻の穴を軽く押さえ、反対の鼻息で「フン」と動かして見せる。

④子どもに同じことをやってもらう。

このトレーニングは鼻水が出ていない、元気なときに行います。鼻が詰まっているときに行うと、鼻息が通る感覚がわかりにくいので難しいでしょう。ふだんの遊びのひとつとして取り入れてみてくださいね。

取材・文/片桐はな

※「子どもの耳鼻トラブル」の連載は全4回。
#1「耳掃除」
#3は21年11月15日、#4は21年11月18日の公開予定です(公開日までリンク無効)。

かさい はじむ

笠井 創

かさいはじむ 笠井耳鼻咽喉科クリニック自由が丘診療室院長。千葉大学医学部大学院卒。国立がんセンター病院、横須賀共済病院等を経て現職。開...