誰もが当事者になるSDGs。日々の買い物だって、SDGsと深くつながっています。
一般社団法人エシカル協会理事の竹地由佳さんは、SDGsを「自分ごと」にするためのキーワードは「エシカル消費」だと言います。
「『エシカル消費』とは、「人や地球環境、社会、地域に配慮した消費行動やサービス」のことです。買い物という身近な行動で、誰でも簡単にSDGsに取り組めるため、注目が集まっています。子どもにもわかりやすく、ゲーム感覚で楽しく取り組めるのもいいですね」(竹地さん)
連載第2回では、5歳と2歳の二人のお子さんのママでもある竹地さんに、子どもと一緒に「エシカル消費」に取り組むための具体的な方法をお聞きしました。(全4回の2回目。#1を読む)
自分以外の誰かを苦しめない「エシカル消費」
「私はエシカル消費について説明するとき、こんな言葉を使っています。
『エいきょうを シっかりと カんがえル』
エシカル消費の根底にあるのは『思いやり』。それを買って使ったら、自分以外の誰に、どんな影響があるのかを考えることです。
今私たちが暮らす社会では、ものを作る人と使う人の距離が遠くなり、『顔が見えない』ことが当たり前になっています。知らず知らずのうちに、自分の選ぶものが他の人や、地球環境や生物を苦しめている可能性も……。だからこそ、まずは自分が買うもの、使うものが作られる背景を知り、人や環境に『思いやり』を持って生産されているものを選ぶ。
そうすることで、みんなが幸せになる世界をつくろう! というのが『エシカル消費』なんです」(竹地さん)
「認証ラベルやマーク」を探してみよう
「エシカル消費をやってみよう!」と思ったら、是非参考にしてほしいのが「認証ラベルやマーク」、だと竹地さんは言います
「認証ラベルやマークには、森林や海の保全、作る人の環境に配慮されたものなど、様々な種類があります。下に挙げたものがその一例です。
買い物をするときに、これらのラベルがついているものを選ぶようにすると、自然とSDGsに取り組むことができます」(竹地さん)
竹地さんが続けます。
「例えば、上記のラベル一覧の下段左から3つは、『フェアトレード』を表すマークです。その商品を作っている人や環境のことをきちんと配慮していることを示しています。具体的には、発展途上国の生産者に適正価格での買取を保障したり、人権や環境に配慮した基準が守られている、ということを意味するマークです。
ラベルは、見るだけで何となくその意味を想像することができます。子どもと一緒にラベルを眺めながら、『森や森に住む動物が気持ちよく暮らせるマークかな? 』(FSC認証マーク/一覧の上段一番右)『お魚にもやさしいっていう意味かな? 』(MSCマーク/一覧の下段右から2つ目)など、その意味を考える時間を持つと、楽しみながらマークを覚えることができます。
マークについて学んだら、実際にスーパーへ出かけ、『認証ラベルやマーク』がついている商品を探してみましょう。最近は、一般的なスーパーでも有機野菜を置いていますし、以前に比べて、コーヒーやチョコレートなどのフェアトレード商品を販売しているお店も増えました。
さらに、食べ物だけでなく、トイレットペーパーなどの日用品にも『FSC認証マーク』つきの商品が出てきています。それほど苦労なく、ラベルを見つけることができるでしょう。
子どもは『マーク』を覚えるのがとても得意! ゲーム感覚で、楽しそうにマークを見つけます。最初に少し親が手助けしてあげると、すぐに自分一人で見つけてうれしそうに報告してくれるようになりますよ。
最近息子は、果物売り場へ行くと『有機JASマーク』がついているバナナを指差し、『気持ちよく育ったバナナだね』と私に手渡してくれます!」(竹地さん)