本当に気になる子育ての悩み「子どもの落ち着きがなくて困っています。どう対処するべき?」

子育てお悩みランキング12を多角的に検証! 第10回 井澗知美/高祖常子

ライター:笹間 聖子

本当に気になる子育ての悩み
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げんきの子育てお悩みランキングトップ12を多角的に検証!

WEBげんきで過去に掲載した「子育てQ&A」のPV数トップ12にランキングした“ママ・パパが本当に気になっているお悩み”に、専門家2名が改めて詳細に回答します。

悩みの多い育児の中でも、“本当に気になっている悩み”を12に絞り、それぞれを多角的に詳細に検証していくシリーズ連載です。
今回のお悩み

「子どもの落ち着きがなくて困っています。どう対処するべき?」
大正大学心理社会学部 臨床心理学科教授で、公認心理士・臨床心理士の井澗知美先生と、子育てアドバイザー&キャリアコンサルタントの高祖常子先生がお答えします。

まずは、大正大学心理社会学部 臨床心理学科教授で、公認心理士・臨床心理士の井澗知美先生の回答からご紹介します。
井澗知美先生

じっとするのが苦手=動いているほうが落ち着くのかも

落ち着きのない子どもには、いろいろなタイプがあります。大きくは2パターンあり、「じっとしていられず、走り回ってしまう」タイプと、「ひとつのことに集中できずに目移りしてしまう」タイプです。

まず、じっとしていられず、走り回ってしまうお子さんの場合は、「動いているほうが落ち着く」という傾向があります。

なるべく体を動かせる環境を用意してあげるのがおすすめです。晴れの日は必ず公園に行くとか、屋内でも思い切り走れるキッズスペースのような場所に行くのもいいですね。
思い切り身体を動かせる安全な場所へ
ママ・パパの役割としては、走り回っても安全な場所や子どものニーズに合った場所をみつけてあげることではないでしょうか。

大切なことは、止まらないといけない場面で止まれた時に褒めること。「止まったね」「止まれたね」と褒めることで、「こういうときは止まるんだ」と学ぶことができ、止まることができた自分をうれしく思うでしょう。

冠婚葬祭では「この時間はじっとしよう」とあらかじめ伝えておく

また、お子さんがいて一番困る場面は、冠婚葬祭など長い時間じっとしていないといけないシーンではないでしょうか。

例えば親戚の結婚式があって、「その間だけはじっとしてほしい」と思われるのでしたら、あらかじめお子さんにそう伝えておきましょう。

「何時から何時は、座ってお話を聞くよ。ちゃんと聞けたら、あとで公園に行くからね」といったことを伝えておくと、その間は我慢できるお子さんもいます。
落ち着いて過ごせたら、ご褒美を用意するのも手
ただ、それでもなかなか落ち着いていられなかったり、毎日走り回りすぎてママ・パパが大変!と感じていらっしゃるのであれば、小児科や公的な相談窓口などの専門科に一度相談してみましょう。

目の前のオモチャを全部触りたくなる子は、お部屋を片付ける

一方、「とにかくさまざまなものに目移りして、目の前のオモチャに片端から触ってしまう」といった、ひとつのことに集中できないタイプのお子さんには、目移りする対象を減らす工夫をしてみてください。

目の前の刺激に敏感に反応しますので、その選択肢をママ・パパが狭めてあげるということです。

お部屋であれば、シンプルに片づけてあげましょう。出すオモチャを2つ3つに絞って、ほかは片づけてしまいます。または、「ほかのオモチャはこの棚の中に入っている」とわかるような、子どもがオモチャの場所を把握できる環境をつくってあげるのもおすすめです。
お部屋をシンプルに片付けることも対策に
ただ、どちらのタイプのお子さんについても注意したいのは、その特性自体は別に悪いことではないということです。

例えば、同じところに留まっていられないタイプは、フットワークが軽く、冒険心に富んでいるという強みがあります。

ですから、大人になったら適性に合った職業がきっと見つかります。短所は裏返せば長所であり、その逆もまたしかりなのです。行動を押さえつけるのではなく、「個性」として生かせる方向を、一緒に探してみてください。
押さえつけるのではなく、「個性」として生かせる道を探って
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