本当に気になる子育ての悩み「子どもの落ち着きがなくて困っています。どう対処するべき?」
子育てお悩みランキング12を多角的に検証! 第10回 井澗知美/高祖常子
2023.05.20
ライター:笹間 聖子
げんきの子育てお悩みランキングトップ12を多角的に検証!
悩みの多い育児の中でも、“本当に気になっている悩み”を12に絞り、それぞれを多角的に詳細に検証していくシリーズ連載です。
今回のお悩み
「子どもの落ち着きがなくて困っています。どう対処するべき?」
まずは、大正大学心理社会学部 臨床心理学科教授で、公認心理士・臨床心理士の井澗知美先生の回答からご紹介します。
じっとするのが苦手=動いているほうが落ち着くのかも
まず、じっとしていられず、走り回ってしまうお子さんの場合は、「動いているほうが落ち着く」という傾向があります。
なるべく体を動かせる環境を用意してあげるのがおすすめです。晴れの日は必ず公園に行くとか、屋内でも思い切り走れるキッズスペースのような場所に行くのもいいですね。
大切なことは、止まらないといけない場面で止まれた時に褒めること。「止まったね」「止まれたね」と褒めることで、「こういうときは止まるんだ」と学ぶことができ、止まることができた自分をうれしく思うでしょう。
冠婚葬祭では「この時間はじっとしよう」とあらかじめ伝えておく
例えば親戚の結婚式があって、「その間だけはじっとしてほしい」と思われるのでしたら、あらかじめお子さんにそう伝えておきましょう。
「何時から何時は、座ってお話を聞くよ。ちゃんと聞けたら、あとで公園に行くからね」といったことを伝えておくと、その間は我慢できるお子さんもいます。
目の前のオモチャを全部触りたくなる子は、お部屋を片付ける
目の前の刺激に敏感に反応しますので、その選択肢をママ・パパが狭めてあげるということです。
お部屋であれば、シンプルに片づけてあげましょう。出すオモチャを2つ3つに絞って、ほかは片づけてしまいます。または、「ほかのオモチャはこの棚の中に入っている」とわかるような、子どもがオモチャの場所を把握できる環境をつくってあげるのもおすすめです。
例えば、同じところに留まっていられないタイプは、フットワークが軽く、冒険心に富んでいるという強みがあります。
ですから、大人になったら適性に合った職業がきっと見つかります。短所は裏返せば長所であり、その逆もまたしかりなのです。行動を押さえつけるのではなく、「個性」として生かせる方向を、一緒に探してみてください。