本当に気になる子育ての悩み「子どもの落ち着きがなくて困っています。どう対処するべき?」
子育てお悩みランキング12を多角的に検証! 第10回 井澗知美/高祖常子
2023.05.20
ライター:笹間 聖子
「今はこれに取り組みなさい」と押し付けていませんか?
一生懸命に絵を描いているときや好きなことをしているときなど、ひとつの場所に座って何かに取り組んでいる時間もあるのではないでしょうか。
落ち着きがない態度は本来、「子どもがやりたくないことを親がやらせているとき」によく出ます。「今はここに座ってお絵描きの時間でしょ」と押しつけると、子どもは絵を描きたくないからウロウロし始めるのです。
そんなときは「今は絵を描きたくない気分」なので、方向転換をしてあげてみてください。「これを与えているのだから、今は取り組みなさい」といった、大人の事情に当てはめすぎないように注意しましょう。
子どもの目線に合わせて成長のサポートを
加えて、何かひとつでも集中できることがあるならば、それをもっと楽しめる環境を用意しましょう。
例えば「ブロックは一生懸命つくる」というお子さんなら、プラレールと組み合わせてビルの間を電車が走っていくような形にしたり、段ボールと組み合わせて街をつくってもいいですよね。
親が考える「こうしてほしい」に合っていない子どものシーンに注目するのではなく、子ども自身の目線に合わせて成長をサポートしていきましょう。
好きなことに取り組んだほうが子どもはすごく伸びますし、自己肯定感も高まります。「こればかりやっていて大丈夫なのか」と心配になるかもしれませんが、例えば電車好きのお子さんなら「何両か数えてみよう」と声をかけることで、数に興味を持つようになるかもしれません。
好きなものからいろいろ知識を身に付けたり、ほかのものと組み合わせて想像力が膨らむ要因にもつながっていきます。子どもが夢中になれる、好きなことをみつけていけるといいですね。
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高祖 常子
リクルートで学校・企業情報誌の編集にたずさわったのち、2005年に育児情報誌miku編集長に就任し14年間活躍。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。 認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか各NPOの理事を務める。「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」(厚生労働省2019年度)でガイドライン策定委員ほか、国や行政の委員を歴任。子育てと働き方などを中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。 保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級など子育てに関連する資格を多数取得。 東京家政大学短期大学部保育科卒、第9回渡邉辰五郎奨励賞受賞。 著書は『イラストでよくわかる 感情的にならない子育て』(かんき出版)、『こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て』(かんき出版)、『男の子に厳しいしつけは必要ありません』(KADOKAWA)ほか。 3児の母。 ●高卒常子オフィシャルサイト ●Twitter @tokikok
リクルートで学校・企業情報誌の編集にたずさわったのち、2005年に育児情報誌miku編集長に就任し14年間活躍。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。 認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか各NPOの理事を務める。「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」(厚生労働省2019年度)でガイドライン策定委員ほか、国や行政の委員を歴任。子育てと働き方などを中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。 保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級など子育てに関連する資格を多数取得。 東京家政大学短期大学部保育科卒、第9回渡邉辰五郎奨励賞受賞。 著書は『イラストでよくわかる 感情的にならない子育て』(かんき出版)、『こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て』(かんき出版)、『男の子に厳しいしつけは必要ありません』(KADOKAWA)ほか。 3児の母。 ●高卒常子オフィシャルサイト ●Twitter @tokikok
井澗 知美
大正大学心理社会学部臨床心理学科教授。公認心理師、臨床心理士。 上智大学文学部心理学科、早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程修了後、国立精神・神経センター精神保健研究所児童思春期精神保健部の流動研究員としてADHDの臨床研究をチームで行う。研究所に在籍している際に、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)にてペアレントトレーニングの研修を受け、我が国におけるペアレントトレーニングプログラムの開発にたずさわる。その後、中央大学大学院博士課程でペアレントトレーニングの有効性に関する研究に取り組み、学位を取得。 専門は発達臨床心理学で、早期介入や地域での発達支援に関心をもつ。ここ数年は幼児期から思春期の子どもの発達支援を中心に取り組んでいる。本書でも紹介した自閉症スペクトラム症の早期介入法であるJASPERの認定セラピストの資格を取得し、大学内の相談室や小児科クリニックで実践をしている。
大正大学心理社会学部臨床心理学科教授。公認心理師、臨床心理士。 上智大学文学部心理学科、早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程修了後、国立精神・神経センター精神保健研究所児童思春期精神保健部の流動研究員としてADHDの臨床研究をチームで行う。研究所に在籍している際に、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)にてペアレントトレーニングの研修を受け、我が国におけるペアレントトレーニングプログラムの開発にたずさわる。その後、中央大学大学院博士課程でペアレントトレーニングの有効性に関する研究に取り組み、学位を取得。 専門は発達臨床心理学で、早期介入や地域での発達支援に関心をもつ。ここ数年は幼児期から思春期の子どもの発達支援を中心に取り組んでいる。本書でも紹介した自閉症スペクトラム症の早期介入法であるJASPERの認定セラピストの資格を取得し、大学内の相談室や小児科クリニックで実践をしている。