げんきの子育てお悩みランキングトップ12を多角的に検証!
悩みの多い育児の中でも、“本当に気になっている悩み”12に絞り、それぞれを多角的に詳細に検証していくシリーズ連載です。
今回のお悩み
「子どもが泣くとイライラしてつい怒ってしまう」
まずは、脳科学者の瀧靖之先生の回答からご紹介します。
子どもが小さな時期にイライラするのは当然のこと
どんなに神様みたいな心を持っている保護者でも、こんな状態で全くイライラしない方は、ほとんどいないのではないかと思います。
イライラするのはごく普通のことで、ママやパパが「自分はダメな人間だ」と卑下する必要は全くありません。
つい怒ってしまったとしても、それはある程度は仕方がないことだと受け止めましょう。
普段からできるだけギュッと抱いて、温もりを感じさせて愛情と信頼を育むことが、子どもの脳と心身の発達に大きく関わってくるからです。
親の愛情は、脳の発達の大切な土台
生後半年~2歳くらいになると言語に関わる領域が伸びていき、3歳ごろからは運動に関わる領域が伸びます。さらに「前頭前野」と呼ばれる社会性に関わる領域も伸びていきます。
このように著しく発達が続いていく時期において、愛情は全ての土台になるのです。これは、多くの医学、心理学等の研究から分かってきたことです。
まずは、イライラして怒ったあとに、できるだけ早くギュッと抱いてあげることが大切だと思います。
褒めてやさしく育てるのか、厳しくしつけて育てるのか?
これについて面白い研究があります。結果として分かったのは、「どちらも大事」だということです。
一方で噓をついたり、物を隠したりと社会的なルールに違反したときはきちんと怒って、厳しく伝えてあげることも大切なのです。
つまり、子どもの行動や態度に合わせて適切に対応することが、子どもの自己肯定感を高める上で重要だと分かってきているのです。
最も注意すべきは、無視やネグレクト
虐待の研究においても、一番良くないのはネグレクトだと言われています。なぜなら人間は、社会で生きていく中でコミュニケーションが成立していると安心する生き物だからです。
お互いに共感し合い、怒るときは怒るけれど、それでも気持ちを理解し合いながら生きることが重要なのです。そのため無視をしたり、突き放すことは一番良くありません。