①選ぶ ②提案 ③見通し【イヤイヤ期にはこう対処】発達心理学者が回答
こんなときどうする? 子育てQ&A#106 「イヤイヤ」いうことが多くて困っています。
2022.09.12
教育学博士:渡辺 弥生
しばらくは子どものそばについて様子をみるママパパも多いでしょう。
「『イヤイヤ』いうことが多くて困っています。」(2歳・男の子)
なぜ「イヤイヤ」いって困らせるんだろう?
「イヤ!」「ダメ!」「自分で!」と主張をしますが、悪気があってママパパに逆らっているわけではありません。
こうやって未熟なりに自己主張して、自立に向けて自分の力を試そうとしているのです。
わけもなく「イヤイヤ」いうことは、言葉の発達にともなっておさまっていきます。
ただ、今は毎日のことだけにママパパも大変です。
子どもの発達を妨げないようにしながら、しかもコトを少しでもうまく運ぶ方法を知っておくことも必要な時期でしょう。
「イヤイヤ」にはどう対応したらいい?
これをヒントにお子さんに合う方法を探してみましょう。
◆「イヤなんだ~。わかった。じゃあ、こっちをやろうか? どう?」と、まず気持ちを受けとめて、提案するいい方にかえてみる。
◆「これとこれ、どっちがいい?」と選ばせる。
◆命令口調ではなく、たとえば「着かえたらお外にいくよ」というように先の楽しい見通しを伝える。
◆危険でなければやりたいようにやらせ、困った段階でさりげなく手伝ったり、方法をアドバイスしたりする。
ポイントは、命令口調は控え、提案したり、選択させたり、さりげなく手伝ったりして、「自分で決めた、やった」という気にさせることです。
もちろん、なにをやってもダメな場合もあります。
そんなときはしばらく放っておいてもいいし、時間がないときは、ママパパの決断で行動することがあってもよいのです。
くどくどと怒ったりして、ママパパ自身が自己嫌悪にならないようにしたいものです。
「イヤイヤ」の対応は、けっしてママパパが妥協するということではありません。
上手に対応して、芽生えたばかりの自我をうまく伸ばしてあげたいですね。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。