子どもがぐずりやすいと、親御さんもイライラしてしまうでしょう。
でも、子どもだって不快な気持ちがいっぱいで苦しいのです。
「 子どものぐずり泣きを改善したい! どうしたらいい?」(1歳・男の子)
有効なのは気持ちを代弁する言葉
一つ目は、2歳ごろは自我が芽生えて欲求が高まるのに、それを伝える言葉が未発達だし、感情の調整もできない年齢だという点。
「自分でしたいのにうまくできない」「させてもらえない」といったときの、もどかしさや悔しさ、悲しさ、不安などの感情を、まだ泣くことや、かんしゃくでしか表現できないのです。
こういうぐずりは、言葉の発達とともに徐々におさまってきます。
今がピークともいえるので、泣く理由を親が想像して「悲しかったね」「悔しかったね」と気持ちを代弁し、共感してあげてください。
それが子どもが自分の感情を知るきっかけになり、早期解消につながります。
こういうタイプだと割り切るのも方法
これには気質が関係しています。
気温や明るさ、空腹、眠いなど、環境や状況の変化をとらえるセンサーの感度がよい子です。
ただ、ずっとこのままでは本人もつらいので、成長とともに変わっていきますが、今はまだ本能のままに不快感を表してしまうのです。
ママやパパもストレスがたまるでしょうが、「この子はこういうタイプだわ」と割り切ったほうが楽になります。
そして、その子のぐずりの特徴をよく見て、苦手な状況を少しでも避けるようにしてあげたらよいでしょう。
また、見方を変えれば、危険の察知度が高く、慎重に行動ができる子なのです。
親御さんがわが子の個性をポジティブにとらえることが、子どもの成長にプラスになります。
子どもの気持ちによりそってみよう
まじめな親ほど計画通りに進めたがったり、こうあるべきという思いが強かったりして、子どもの気持ちを無視してしまいがち。
これがぐずりの原因になることも多いのです。
もし、思い当たるときは、試しに親御さんの予定や気持ちは少し脇に置いて、子どもの気持ちを汲むようにしてみましょう。
きっと泣かずにすむことが増えるはずです。
子どもがぐずりはじめると、ママやパパもイライラしてしまいますね。
でも、子どもだって不快な気持ちで苦しいのです。
ぐずる子に、怒りの表情で接すれば状況は悪化するばかり。
親御さんは少しでもストレスを解消して、共感したり、気分転換をしてあげてみてください。
きっと子どもが変わっていくでしょう。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock

げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...
渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...