子どものかんしゃくの原因と対応法は? いつまで続く? 発達心理学者が回答
こんなときどうする? 子育てQ&A#104 子どものかんしゃくにどう対応したらいい?
2022.09.07
教育学博士:渡辺 弥生
月日はそれからちょっとしか経っていません。
「子どものかんしゃくにどう対応したらいい?」(3歳・男の子)
なぜ、かんしゃくを起こすんだろう?
言葉もうまく使えないし、わき上がる感情をコントロールする力もありません。
そのため「もっと遊びたい」「自分でやりたかった」など、言葉でいえばすむことでもかんしゃくを起こして、激しく泣いたり、暴れたりしやすいのです。
その強さや長さには個人差はありますが、この時期のかんしゃくは特別なことではないのです。
これが頻繁だと、「あ~、またか!」とイライラすることもあるでしょう。
でも、けっして育児の仕方が悪いわけでも、困った子だからというわけでもありません。
まだ未熟な年齢だと理解してあげられると、ママパパのつらさも軽減するはずです。
気分転換や気持ちを代弁する対応を
安全に気をつけて、しばらく見守るのも方法です。
それで少しおさまったら、場面を変えるなどして気分転換をしてあげましょう。
外出先なら、抱いて人けのない場所に移動すると、ママパパも対応しやすいですね。
もし理由がわかれば「○○したかったの?」などと気持ちを代弁して、そんなときはどうすればよいのかという解決策を具体的に話してあげます。
もちろん、すぐにはそれを実行することはできません。
でも「こういうときはこういえばいい」「こうすればいい」という「学び」につながっていきます。
同時に、なにが引き金になりやすいのか、どうしたらおさまりやすいのかを観察してみましょう。
傾向がわかれば対策に役立ちます。
そして、かんしゃくを起こさなかったときは、ほめてあげてください。
泣くことをガマンできたという自信になっていくはずです。
ひどいかんしゃくは言葉の発達とともにおさまっていきます。
小さなうちに感情を爆発させ、適切な対応を受けてコントロールの方法を学ぶことは、その子の生涯の財産になります。
今のかんしゃくは育ちのチャンスと考えて対応してあげられるといいですね。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。