ごはんを食べずにお菓子ばかりほしがる どうすべき? 育児の専門家が回答

こんなときどうする?子育てQ&A#35「ごはんは食べずにお菓子ばかりほしがり困っています」

教育学博士:渡辺 弥生

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1~3歳は、3回の食事に加え、栄養を補うためにおやつも上手に取り入れていってあげたいもの。

子どもがお菓子をほしがって泣いたりすると、「あと少しだけね」などといって、食べさせてしまいがちですが、食事の量に影響しては本末転倒ですね。
発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「ごはんは食べずにお菓子ばかりほしがり困っています」(2歳・女の子)

ごはんは食べずにお菓子ばかりほしがります。対策はありますか? 写真/Adobe Stock

お菓子にはメリットもあります

いちばん問題なのは、お菓子なら喜んで食べるからといって、食事がわりにしてしまうことです。

食事は健康の源。

体や脳の成長が著しい時期の子どもは、栄養バランスのよい食事を1日3回楽しく食べることが大切です。

ただ、お菓子をすべて悪者にして、与えないというのはいきすぎです。

子ども時代の思い出のなかにお菓子のことがある人は多いはず。

実は、お菓子には長い歴史があって、時代時代でハッピーな気持ちをもたらしてくれる存在なのです。
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がまんを教えるよいチャンスになります

食事もお菓子も楽しませるために、ルールを作るといいでしょう。

心理学に「誘惑への抵抗」という考えがあります。

誘惑があっても、それに打ち勝つ力のことです。

子ども時代からこの力を少しずつつけていくと、自分の欲求をコントロールできるようになります。

1~3歳は、がまんが難しい年齢なので、大人がフォローしながら、その力を培っていってあげる必要があります。

お菓子のコントロールは、それを教えるよいチャンスともいえます。

その方法は、

◆皿に適量を出す

たとえば、「ご飯も食べるから3つね」と、皿に「1、2、3」と数えながら適量を出してあげましょう。

◆泣かれてもきっぱり断る

「もっと~」と泣かれても「もう、おしまい」と、きっぱり断って譲らないようにします。

◆見通しを教え、気分転換をする

「また明日、食べようね~」と見通しを伝えて、その約束を守るようにすると、しだいに「1回寝れば、また食べられる」というイメージが作れるようになります。

最初は泣かれるかもしれませんが、「○○して遊ぼう!」などと誘って気分をかえてあげましょう。

それでもおさまらないときは、泣きやむまで放っておくことがあってもかまわないのです。
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手作りおやつもいい思い出になるはず

うちは手作りおやつというママは、ときどきは子どももお菓子作りに参加させてあげましょう。

役には立ちませんが、子どもの楽しい思い出になるはず。

ただ、体にいい材料を使っているからといって、食べさせすぎには注意しましょう。

お菓子問題は厄介に思えます。

でも、子どもの成長にも役立つワザを使いつつ、食べさせすぎない、食べたら歯をみがくなどの基本を守り、子ども時代のよい思い出にしてあげられたら最高だと思います。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。