ずっと「抱っこ抱っこ」。公園で遊べない「ウチの子のナゾ」
「なぜ?」と感じる、ちょっと気になる、うちの子の不思議な行動や気質…etc.その世界の専門家に聞くシリーズ第35回。
2023.11.04
「何ごとにも慎重なうちの子。公園に行っても、なかなか遊びださず、ずーっと『抱っこ! 抱っこ!』と言っています。ひとりでどこかに行ってしまわないのは助かりますが、毎回『せっかく公園に来たのに……』という気持ちになります」(3歳・女の子)
「親がどんどん遊びましょう!」
また、親が子どもに期待しすぎると、親の言葉かけや、非言語コミュニケーションと呼ばれる声や表情、態度に、子どもへのプレッシャーが知らず知らずに出てしまうことが少なくありません。
「公園行くよ、いっぱい遊ぼうね」「ママは忙しいけど、公園に連れていってあげるんだから遊びなよ。抱っこはダメだよ」など、言葉で知らず知らず「圧」をかけてませんか?
言葉で言ってなくても、公園までの途中でもサッサさっさと無言で歩いたり、公園に着いたら「はい、遊んで!! ほら行ってきな!!」と言った態度になっていませんか? ましてや、親御さんはスマホに夢中になり、「抱っこはダメ、ママは忙しいんだから」という感じになっていたとしたら、もう子どもはひとりで遊ぶ気は失ってしまいます。
「抱っこ、抱っこ」で愛情を確信したいという気持ちになっているのかもしれません。
親御さんは「せっかく○○してあげたのに、△△しないじゃない」モードよりも、むしろ「公園に行ってみようかなぁ」「うんじゃあ、行ってみる」といった、子どもが求めてきたら応じてあげるモードがいいと思います。
だんだんと公園に慣れてもらうためにも、お子さんが自分から「公園に行きたい」と言ったときは「今は忙しいからダメ」などと邪険にせず、出かけましょう。子ども自身が気持ちの高まったタイミングを逃さないのが大切です。
また、「公園に行ったら遊ぶだろう」と期待しないことです。安心できるお家を出て新しい場所に行くことは、子どもにとって勇気のいること。遊ばないで「抱っこ」になっても、公園という場所に慣れるためのプロセスのようなものととらえて、お子さんに寄り添ってみましょう。
そして抱っこして気持ちを満たしてから「いっしょに遊ぼう」と、親御さんも「何しようかなぁ」「こんなことできるよ!」と、遊び方を教えてあげながらいっしょに公園で遊びましょう。
3歳は発達段階的に、平行遊び(友だちと一緒にいてもひとりひとりがバラバラに遊んでいる)と連合遊び(友だちに声かけをしながら遊べるようになる)の間の時期です。子どもがみんな公園でどう遊べばいいか知っているわけではありません。滑り台、鉄棒、ブランコ……さまざまな遊具の遊び方も、子どもは勝手に覚えるわけではなく、誰かを手本にして学んでいくのです。
親が遊具で楽しそうに遊べば、それを見て、だんだんと遊べるようになっていきます。遊具だけではありません。公園で出会うお友だちとの接し方も同様です。声の掛け方など親の行動を見て、覚えていきます。親御さんがどんどん遊べば、お子さんも遊び方を覚えて、公園が楽しい場所へと変わっていくと思います。
写真:yamasan/PIXTA(ピクスタ)
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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