1歳児の眠りが浅い理由は?「しっかり昼寝させるためのポイント」【専門家がアドバイス】

ちょっと気になる不思議な行動や気質……etc.その世界の専門家に聞くシリーズ第44回。

げんき編集部

物音一つ立てられない……
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「眠りが浅く、お昼寝のときなど少しの音で起きてしまうため、すぐにグズグズしてしまいます。深い眠りにつければいいのになぁと思っています」(1歳5ヵ月/女児)

お昼寝の環境をチェック

基本的なことからお話しすると、少しの音でも目を覚ますなら、まずは睡眠にとって心地よい環境をつくってあげられているか考えてみましょう。

一つは、物理的な環境が大切です。騒々しくなく静かな場所を選ぶなど、お子さんを寝かせている場所を見直してみてはいかがでしょう?

音以外にも窓から入る日差しが強すぎるとか、室温が暑すぎる寒すぎるなどの場合も眠りを妨げる要因になります。

また、洋服のままお昼寝させていると、着ている服のタグがチクチクして気になるなどもあるかもしれません。

光や温度、触感など、お昼寝の環境をよくチェックしてみてください。

もう一つは、心理的に落ち着いた雰囲気づくりが大切です。

「早く寝なさい」とか「お昼寝しなさい!」といった、怒ったような声のトーンだったり、イライラした表情を見せるだけで、子どもは緊張したり不安になって、眠りにつくことができません。無意識にご自分がモヤモヤモードになっていないか確認してみましょう。

眠りの深さや長さには個人差がある

もうひとつ、もしかしたらあまりお昼寝があまり必要ないタイプのお子さんなのかもしれません。

よく育児書などには「1歳児は一日○時間、午後○時ごろまでにお昼寝をするのが目安」などと書いてありますが、必ずしもそのようにしなければいけないということはありません。

大人と同様、子どもにも眠りの深さや長さに個人差がありますので、お昼寝をしなくても日中機嫌良く過ごしているのであれば、無理にお昼寝させようと思わなくてもいいと思います。

お昼寝をして夜寝るのが遅くなったりするより、夜にまとめてしっかり寝るのであれば、そのほうがむしろ生活習慣としては良いと思います。

毎日のルーティンを言葉にして伝える

親御さんたちはできるだけ、お昼寝を含めて毎日のルーティンをお子さんに言葉にして伝えてください。

たとえば朝起きたら「朝だね、おはよう」、お昼になったら「お昼になったね。お昼ごはん食べてお昼寝しようね」、夜になったら「もう夜だね。寝る準備をしようね」など。

大人にとっては当たり前のことばかりですが、人間の生き物としてのリズムを言葉で教えていくことは、とても大切です。

朝お日様の光に当たるかどうかも睡眠と関係しています。

子どもたちはまだ、毎日の習慣と一日の時間の流れが一致していません。自律神経や睡眠のリズムがうまく整うように関わりましょう。だんだんと社会生活のリズムにもなじみ、将来的には集団生活への対応につながっていくのだと思います。
子どもの発達心理学の専門家
渡辺 弥生先生
イラスト/とやまちさと 取材・文/久世恵美
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わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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